NEC通信システムは、製造現場の資材や仕掛品、完成品の保管位置を高精度に測位する「マーカー測位技術」を開発した。屋内外の資材などの保管位置を1m以内の精度で正確に把握し、効率的に資材を管理できる。
NEC通信システムは2019年1月11日、製造現場の資材や仕掛品、完成品の保管位置を高精度に測位する「マーカー測位技術」を開発したと発表した。屋内外の資材などの保管位置を1m以内の精度で正確に把握でき、効率的な資材管理が可能になる。
製造業の工場などでは、多数の資材や仕掛品、完成品がさまざまな場所で保管されている。従来の管理システムでは、屋内はビーコン方式、屋外はGPSの電波を使った方式を用いることが多いが、10m程度の誤差が発生し、正確な位置管理が困難だった。
今回開発した技術は、AR(拡張現実)で使用される、カメラ位置や姿勢を推定する技術を応用。資材保管時に壁面や柱に付けた基準点マーカーと資材に付けた資材マーカーをカメラで撮影し、資材の保管地点を記録する。搬出時には、基準点マーカーとカメラ位置、姿勢(角度)から資材マーカーの位置を相対的に求め、1m以内という高精度で資材位置を推定する。
マーカーは紙媒体で、ビーコンなどの電波方式で使われる特殊な装置を用意する必要がない。電池交換などのメンテナンスも不要だ。風雨に耐えられる媒体のマーカーを使用すれば、屋外でも位置の推定が可能になる。屋内外で異なる位置測位装置を用意する必要がないため、屋内外の資材を一元的に管理できる。
また、従来は位置測位精度が粗いため、資材運搬を自動認識することは難しく、追加の手動操作を要していた。新技術では、マーカーを撮影した映像を基に位置測位をするため、資材の保管、移動、撤去を一連の流れとして捉え、その動きを自動的に監視することも可能になる。
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