ベスト3に入らなかった中から、(編集担当にとって)興味深い記事を2本紹介しましょう。
1本目は、第9位に入った『IoTデバイスも対象、“現代的な”CPUの脆弱性「Meltdown」と「Spectre」』です。
年始休暇の真っ最中に明らかになったMeltdownとSpectreですが、2018年のセキュリティ関連で最も大きな話題の1つと言っていいでしょう。いわゆるマイコンを除き、インテルやAMD、ArmのCPUコアのほぼ全てに関わる脆弱性でしたので、影響範囲は極めて大きくなりました。記事でも紹介した通り、Windows Embeddedなどを用いるゲートウェイクラスのIoTデバイスも対象になっています。
ではなぜ編集担当にとって興味深いかと言いますと、これもたまたま年始早々に個人所有のノートPCが壊れまして、この際新年セールで買い替えようか、と思っていた矢先にこの報道に気付いたからです。ほとんどのPCのCPUとして採用されているインテルの場合、ハードウェアレベルでのMeltdownとSpectreへの根本的な対策は2019年以降になるとされており、実際に2018年秋に出荷が始まった第9世代の「Coreプロセッサ」は対策されているのだとか。
せっかく買い替えるなら、やっぱCPUも対策済みがいいですよね。というわけで2019年は、ノートPC選びを楽しめそうです! とか言いながら、代替で使っているさらに1世代前のノートPCでも何も問題がないという事実。どないしましょうかね……。
2本目は、MONOist年間ランキング恒例(?)のエネルギッシュおじさんシリーズです。2016年は元東京大学、現東洋大学の坂村健氏、2017年は革ジャンおじさんことNVIDIA CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏をフィーチャーしました。
さて、2018年最も注目されたおじさんと言えば、やはりこの人、日産自動車 前会長のカルロス・ゴーン氏です。MONOistではゴーン氏が逮捕された際の、同社 社長の西川廣人氏の会見を基にした記事を『日産ゴーン氏逮捕、西川氏「アライアンスの活動に影響が出ないように」』としてお伝えしましたが、その後の動きは基本的に取り上げていません。MONOistは、製造業の技術者に役立つ情報を提供するWebメディアであり、こういったスキャンダルの詳細がモノづくりに役立つわけではないだろう、という判断によるものです。
逮捕されてしまったゴーン氏ですが、さすがカリスマ経営者と呼ばれるだけのことはあり、会見やモーターショーのプレスカンファレンスなどでの存在感は大きなものがありました。私が初めて東京モーターショーを取材した2007年開催回の日産自動車のプレスカンファレンスは、新型「GT-R」の初お披露目ということもあって参加する報道陣の数が多すぎ、ゴーン氏の姿を見ることすらできませんでした。私ができたのは、通訳レシーバーで声を聴くことだけ。いや、それゴーン氏の肉声じゃないし……。
ゴーン氏の問題はさておき、強いメッセージを放つ企業トップの存在はその業界を面白くします。2019年も、そういった熱い、エネルギッシュなおじさんに注目したいと思います。
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