2018年10月17日〜21日、東京ビッグサイトで開催された「World Robot Summit 2018(WRS2018)」。本稿では、前回レポートした「ものづくり」部門以外の3部門の競技についてダイジェスト的に結果をお伝えする。
2018年10月に開催された「World Robot Summit 2018」(WRS2018)では、4つの部門で競技を実施。筆者は前回レポートした「ものづくり」部門を中心に取材していたため、他の競技はあまり見る時間が無かったのだが、今回は残りの3部門について、ダイジェスト的に結果をお伝えすることにしたい。
⇒WRS2018ものづくり部門レポート〜絶食のドラえもんを救うチームは現れたのか?
「インフラ・災害対応」部門では、「プラント災害予防チャレンジ」「トンネル事故災害対応・復旧チャレンジ」「災害対応標準性能評価チャレンジ」といった3つのチャレンジが行われた。「インフラ・災害対応」部門の各チャレンジの概要については、以下の過去記事を見てもらうのが分かりやすいだろう。
⇒究極の災害救助ロボットと産業ロボットを目指す〜WRS2018インフラ/ものづくり部門
プラント災害予防チャレンジは、実際のプラントを模擬したフィールドで実施。配管、ポンプ、ボイラー、タンクなどが設置されていて、圧力計の数字を見たり、バルブやレバーを回すなどのタスクが用意されていた。
かなり難易度が高いためか、見に行ってもロボットが全然動いていなかったことも多かったのだが、そんな中で完成度の高さを見せていたのが、1位になったドイツの「Hector Darmstadt」チーム(Darmstadt工科大学)だ。ロボットをCG上に表示しており、自由に視点を変えながら、操縦しやすいシステムになっていた。
この競技ではクローラ型のロボットが多かった印象だが、ユニークだったのは日本の「UEC Snake with Tohoku Gripper」チーム(電気通信大学/東北大学)だ。電通大のヘビ型ロボットに、東北大のグリッパーを付けたもので、階段の昇降では課題が残ったものの、独特のグリッパー(通称"ドラえもんハンド")でレバーを回すことには成功していた。
このグリッパーは、袋の中に粉体が詰まっており、レバーに押し当てて形を馴染ませてから空気を抜くと、その形のまま固くすることができるというもの。汎用性が高いほか、細かい位置決めをしなくても把持ができるというメリットがある。
「トンネル事故災害対応・復旧チャレンジ」は、シミュレーターの仮想空間で競技を実施。実機が無いため、一般にはなかなか面白さが伝わりにくいところだが、これだけずっと見ていても結構楽しいと思うので、興味がある人はぜひ動画のアーカイブを見て欲しい。
1位になったのは「REL/UoA」チーム(会津大学)。大型ロボットで自動車のドアを開けて、小型ロボットで内部を調べるといった連携作業を実現していた。また操縦方法がユニークだったのは3位の「ODENS」チーム(大阪電気通信大学)。マスタースレーブのコントローラーを用意し、ARも活用した操作画面を開発していた。
プラント災害予防チャレンジ
トンネル事故災害対応・復旧チャレンジ
災害対応標準性能評価チャレンジ
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