オムロンが描く“現場”の力を最大化する自動化:オムロン 綾部工場レポート(前編)(2/2 ページ)
これらのオムロン自身のモノづくり現場に対して課題解決のために「i-Automation」を適用。オムロンではグローバル各地の工場の運営について、「マザー工場」を設定するのではなく、拠点間でベストプラクティスを共有するグローバルネットワーク体制を構築している。これらの各地での生産拠点で「i-Automation」を活用し、そのノウハウの蓄積や、製品向上へのフィードバックを行うことで、モノづくり現場を改善するとともに、「i-Automation」の進化に取り組んでいる。
オムロンのグローバル生産拠点(クリックで拡大)出典:オムロン
これらの「自社のモノづくり現場」を実践の場として生かし、商品価値の進化と顧客への提案の場として活用する取り組みを同社では「The GEMBA(Global Empowered Manufacturing By Automation)」として位置付け、「The GEMBA」を核にした提案に取り組んでいる。自らの商品開発とそれに合わせた自社工場の進化を同時並行で進めていくという取り組みだ。この「The GEMBA」の1つが綾部工場ということになる。
The GEMBAを核とした価値創造(クリックで拡大)出典:オムロン
この「The GEMBA」の取り組みにより、2020年度に自社工場で目指す姿として、「i-Automation」を適用。さらに以下の5つの自動化アプローチを進め、それぞれの工場での適用を目指す。
- 知能化の推進と人とロボットの協働混流ライン
- 汎用ロボットとからくりを組み合わせたシンプル自動化
- 官能検査の自動化
- 搬送作業、段取り作業の自動化
- ラインおよび設備の見える化による予兆保全
オムロンが2020年度に目指す工場の姿(クリックで拡大)出典:オムロン
オムロンではこれらを具体的に実現するために、各工場で生産革新の実践テーマを設定し、チェックリストを作って生産革新を実現。これを他工場に面展開し、グローバルで「The GEMBA」の生産革新実現を推進するようにしている。
辨官氏は「各工場で具体的な取り組みを進めることで、工場そのもので最新技術を活用した生産革新が進む一方で、自社製品が本当に現場で役に立つのかが磨かれることになる。また、その実装のためのノウハウなども蓄積できる。相互に高めていける取り組みとなっており、これらのThe GEMBAを生かした取り組みを推進する」と考えを述べている。
前編では、オムロンのFA機器に関する取り組みの全体像を紹介したが、後編ではThe GEMBAでもある綾部工場での具体的なスマート工場化への取り組みを紹介する。
≫後編はこちら
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2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。
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ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
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