産業用IoT通信で飛躍を狙うBluetooth、突破口はスマホインフラ製造業IoT

Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は2018年7月20日、都内で記者会見を開催し、Bluetoothの最新動向と普及状況を紹介した。

» 2018年07月24日 06時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は2018年7月20日、都内で記者会見を開催し、Bluetoothの最新動向と普及状況を紹介した。

Bluetoothは20周年

 パーソナルエリアネットワーク(PAN)としてオーディオストリーミング用途などで利用を拡大するBluetoothだが、2018年は普及開始から20周年を迎えた。その仕様策定や認証、普及活動を推進するBluetooth SIGは会員企業を拡大。2017年には3万3793社の企業が参加。2012年からの約5年間で約2倍(190%)になったという。また、Bluetoothデバイスの2018年の年間出荷台数は39億台を見込むという。

photo Bluetooth SIGの参加企業数推移(クリックで拡大)出典:Bluetooth SIG

 躍進のきっかけとなったのが、オーディオストリーミング用途である。これはワイヤレスヘッドセットやワイヤレススピーカー、車載インフォテインメントなどへの用途だ。同用途での2018年の年間出荷台数は8億8000万台を予測する。その他、「Bluetooth Low Energy(Bluetooth LE)」などを活用した、ウェアラブル端末やウェルネス製品などでの出荷が2018年は5億5000万台の出荷を予測。さまざまな用途で利用が広がっている。

産業用途での利用を拡大

 ただ、今後の取り組みの中でBluetooth SIGが重視するのがBluetooth meshによる産業用途での利用の拡大である。Bluetooth meshとは、多対多(M:M)間デバイス通信が可能なメッシュ接続機能を有したBluetooth規格である。Bluetooth SIG APACシニアリージョナル マーケティングマネージャーのロリ・リー(Lori Lee)氏は「メッシュネットワークへの対応はBluetoothにとって大きな一歩だ。既存市場に向けては引き続き拡大を進める一方で、産業分野での新規市場開拓に取り組む」(リー氏)。

 具体的には、スマートビルディング、スマートホーム、スマートインダストリー、スマートシティーの領域を重点的に強化する方針である。Bluetooth SIG デベロッパー リレーションズ マネージャーのカイ・レン(Kaiser Ren)氏は「メッシュネットワークの重要な点は、他対他のネットワークが利用できる点であり、IoT(モノのインターネット)としての用途で相性が良い。特にスマートビルディングなどの照明用途で手応えを感じている」と述べている。

 実際にBluetooth meshによるデバイスの出荷は順調に拡大しており「今後1年間でさまざまな対応製品が増えるだろう」(レン氏)としている。

躍進のカギを握るのはスマホ

 過去のオーディオストリーミングやウェアラブル端末などとのデータ連携などを見ても、Bluetoothが大きく成長した背景としては、スマートフォン端末の躍進があった。スマートフォン向けOSにネイティブ対応したことが、デバイスの普及を大きく後押しした歴史がある。産業用途の開拓においてもこれらの強みを生かしていく方針である。

 レン氏は「スマートフォンが普及し、重要な役割を果たすようになる中で、Bluetoothはスマートフォン端末との親和性の高さから飛躍した。産業用途でも、例えば工場の見える化などでスマートフォン端末との連携を進めるような動きもある。こうした動きの中でスマートフォン端末と産業向け機器などが情報連携する動きが1つのポイントになると見ている」と語っている。

photo Bluetooth SIGのレン氏(左)とリー氏(右)

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