今回行う工事は大まかに分けて3つある。1つ目は止水補強。タンクには約5万トンの超純水がある。1日当たり約1トンの超純水の漏れが確認されており、水漏れを防ぐためにタンク内壁のステンレスパネル全てのつなぎ目に止水剤を塗布するという。また水漏れは現時点では底部からと想定されている。実験自体に影響はない漏れ量とのことだが、地震などの災害でより大きな水漏れが起きないようにする目的もあるそうだ。
2つ目は配管のバージョンアップ。タンク内の超純水の循環速度は毎時60トン。タンク内のガドリニウム濃度を均一にし、かつ透過性を確保するため、毎時120トンに向上させる。なおガドリニウムの濃度は0.01%になるという。
3つ目は、問題が生じている光電子倍増管の交換だ。既に12年経過しているため、数百の光電子倍増管に不具合が生じている。それを上記作業と並行して実施していく。スーパーカミオカンデが有する光電子倍増管は、内側の直径50cmのものが1万1129本、外側の直径20cmのものが1885本ある。
タンク内には、ゴンドラと小型のゴムボートで進入する。ゴンドラで必要機材を水面付近まで下ろし、ゴムボードで作業地点へと向かう。確認できたゴムボードは3艘。ただ上記の作業を考えると、水位状況次第でその数は増えるのかもしれない。作業中の様子は、宇宙線研究所のTwitterアカウントなどで開示されると思われる。
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