ダイキンも「コト」売りへ、空調ソリューションの提供に向けIoTとAIに注力製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2018年06月07日 08時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
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空調ソリューション事業の立ち上げは北米と中国で期待

 「IoT、AI技術を活用した空調ソリューション事業の加速」では、全ての空調機器をネットワークに接続し、得られた大量のデータを解析することにより新たな顧客価値を生み出して行く方針を打ち出した。そこから生み出す空調ソリューション事業としては「エネルギー・サービス・ソリューション事業」と「空気・空間エンジニアリング事業」の2つを想定している。

「IoT、AI技術を活用した空調ソリューション事業の加速」の概要 「IoT、AI技術を活用した空調ソリューション事業の加速」の概要(クリックで拡大) 出典:ダイキン工業

 エネルギー・サービス・ソリューション事業では、エアコンとしての「モノ」売りから、空調サービスを提供する「コト」売りへの移行が重要になるが、同社の空調事業が大幅な成長を続けているアセアンとインド市場については、高効率を特徴とするインバータ搭載エアコンを拡売する「モノ」売りが続く見込み。「コト」売りを行うのは成熟市場であり、日本、北米、欧州から立ち上げていくことになる。十河氏は「北米のアプライド事業(ビルや工場向けの空調設備事業)の更新需要から始められるのではないか」と見込む。

エネルギー・サービス・ソリューション事業空気・空間エンジニアリング事業 「エネルギー・サービス・ソリューション事業」と「空気・空間エンジニアリング事業」の概要(クリックで拡大) 出典:ダイキン工業

 また空気・空間エンジニアリング事業については、開発、製造、販売を一体となって動かせる中国市場での取り組みから立ち上げることになりそうだ。「空気清浄を行うIAQ(室内空気質)のアイデア商品や差別化商品を投入するとともに、それをグローバルで展開していきたい」(十河氏)という。

 この他、IoTやAIに注力するために、人材の早期獲得と育成を進める。大阪大学と協力して設立したダイキン情報技術大学を2017年末から開講するなどして、2017年度の1年間で約100人のIoT/AI人材を採用した。2018年度入社の新入社員についても約100人を対象に教育を進めており、2020年度までに約700人のIoT/AI人材の確保を目指す。十河氏は「正直なところ、全ての空調機器をネットワークに接続してデータを集められるようになったときに、この数で足りるかどうかは分からない。さまざまな企業との連携や人脈作りも含めて、多面的に取り組んでいく必要がある」と説明する。

 13テーマの1つとなっている「空調事業を支えるモノづくり力の強化」では、全てのグローバル空調生産拠点をネットワークでつなぐ「工場IoTプラットフォーム」を基にしたデジタルファクトリーの構築に取り組む。2017年度時点で、米国、インド、ベトナム、日本の4拠点を接続しており、2024年度には世界の約90拠点の接続を完了する見込みだ。「現場レベルではつながることによる見える化から始めようとしている段階。FUSION20の後半の中で、デジタルファクトリーに関する数値目標を決められるようにしたい」(十河氏)としている。

「空調事業を支えるモノづくり力の強化」の概要 「空調事業を支えるモノづくり力の強化」の概要(クリックで拡大) 出典:ダイキン工業
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