発想を生み出すためには「考え方の技術」がある。コツの解説と演習を通じてその技術を身につけてもらおうという当連載。今回は「今ある貯蓄を、1年間で100万円増やすには?」という演習問題の回答例を厳しく!? チェックします!
これまで、4回の連載を通じて「イノベーション思考」についてお伝えしてきました。とくに第3回、第4回では手法やコツをぎゅっと詰め込み、それを基に「演習問題」にチャレンジいただきました。
今回はその回答例を取り上げ、Web上でのフィードバックを行います。皆さんもご自身の回答と比べながら、自分にはどのような「思考のクセ」があるか、考えてみてください。演習問題はこちらです。
私の手元に届いた、一つの回答例を見てみましょう。
「3」を意識したロジックツリーになっていますね。また、全体的に「〇〇をして貯蓄を増やす」「〇〇をおさえる」など、シンメトリーになっていることも、この方が論理的な考え方をしていることが分かります。
では細かく見ていきましょう。
まず上位の3つの切り口を見ていきます。
2つ目のボックスですが、「自分で働いて」と書いてしまうと、「他人から得る」という候補も頭に浮かびませんか? 上述したとおり、ここでも「収入を増やす」という上位概念に気付くと、「自力で収入を増やす」「他人から得る」というように選択肢を増やしていくことが可能となります。「収入を増やす」となると、1つ目のボックスにある「節約をして」という表現を、収入の対義後である「支出」と言い換えたいですね。
3つ目には「マーケットを活用して」とありますが、「マーケット」という言葉の抽象度が高く、読んだときに何を指しているのか判断が付きづらいと言えます。「投資」や「運用」を指すのかな、と思いきや、下のレイヤを見るとそうではなさそうです。
考えを可視化するのは、自身の考えやアイデア、それが生まれるまでの経緯を他人に分かりやすく伝えるためでもあります。誰が読んでも分かる言葉を使用しましょう。
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