新型「NSX」は短いオーバーハングでどのように衝突安全性能を確保するか車両デザイン(1/2 ページ)

ホンダが2017年2月27日に発売するスーパースポーツカー「NSX」の新モデルには、自動車や車体骨格向けとして初採用となる2つの成形技術が使われている。初代NSXの設計思想を踏襲し、オーバーハングの短縮やドライバーの操縦性向上を実現したパッケージングを製品化するためだ。

» 2016年08月26日 07時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ホンダが2017年2月27日に発売するスーパースポーツカー「NSX」の新モデルには、自動車や車体骨格向けとして初採用となる2つの成形技術が使われている。初代NSXの設計思想を踏襲し、オーバーハングの短縮やドライバーの操縦性向上を実現したパッケージングを製品化するためだ。

短いオーバーハングや細いフロントピラーを実現するための車体骨格とは 短いオーバーハングや細いフロントピラーを実現するための車体骨格とは (クリックして拡大)

短いオーバーハングと衝突安全の両立

 車体骨格は、高剛性化を図るとともに、3モーターのハイブリッドシステム「SPORTS HYBRID SH-AWD」を搭載しながら最大限の軽量化を図るため、押し出し成型アルミ材を中心に複数の素材を組み合わせている。

 ボディー開発で課題となったのは、短いオーバーハングと衝突安全性能を両立することだという。車両の前方には前輪にかかるトルクを制御するためのツインモーターユニット(TMU)が、後方には排気量3.5l(リットル)のV型6気筒エンジン、駆動用モーター、9速のデュアルクラッチトランスミッションが配置されている。オーバーハングを最小化するには、車両の前後に衝突エネルギーを吸収しながら剛性の高さも確保できる素材が必要だった。

前後 フロントとリアに収められているパワートレイン (クリックして拡大)
中身前中身後 骨格にパワートレインを乗せただけの状態で見ると、リアは特に余裕がない (クリックして拡大)
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