国連社は、サイバネットシステムやエルバホールディングスとともにAR(拡張現実)技術を活用したスマートフォン向けアプリを開発し、2016年冬からサービスの提供を開始する。サイバネットシステムのARアプリ向けのプラットフォームによって、開発コストを7〜8割低減するとともに、さまざまな用途のアプリでAR技術を利用しやすくした。
国連社は2016年5月12日、東京都内で会見を開き、サイバネットシステムやエルバホールディングスとともにAR(拡張現実)技術を活用したスマートフォン向けアプリを開発し、2016年冬からサービスの提供を開始すると発表した。このアプリは、スマートフォンを任意の方向に向けることで、台風の接近など災害情報を視覚的に分かりやすく示すもの。サイバネットシステムが提供したAR搭載アプリ向けの開発プラットフォームによって、開発コストを7〜8割低減するとともに、さまざまな用途のアプリでAR技術を利用しやすくした。今後、サイバネットシステムのプラットフォームを活用したAR搭載アプリが多業種から投入される予定だ。
AR搭載アプリ構成は、次のようになっている。
サイバネットシステムは従来、アプリを企画する企業ごとにARエンジンからコンテンツまで専用設計していた。このため、開発期間は半年から1年を要し、コストも圧縮しにくかった。しかし、「企業がARでやろうとすることは共通点が多い。ARエンジンや制御システムは共用できるのではないかと考えた」(サイバネットシステム 執行役員 データソリューション事業部 事業部長の加苅政猛氏)。
AR搭載アプリの基盤となるARエンジンと制御システムをプラットフォームとして活用することで、表現性や機能性、アプリとしての基本品質を確保する。このプラットフォームでは、マーカーと距離が離れても自然に表示したり、見る角度を急に変えてもスムーズに見せ方を連動させることができる。日本語以外の言語の表示や、アプリが利用された位置情報の収集にも対応する。
また、プラットフォーム化により、スマートフォンでの動作検証や、配布/販売の認可を得やすくなる。さらに、シナリオは需要の多いものをテンプレート化して複数そろえ、実質的な開発はコンテンツ実装のみとすることで開発期間を短縮する。シナリオやコンテンツを差し替えるだけでアプリが完成するため、開発期間は半年以下に、コストは7〜8割低減することができるという。
開発コストを低減するプラットフォームにより、AR活用を考える企業のサービス化を支援する。今回の会見では、サイバネットシステムのプラットフォームを活用して開発したアプリが複数披露された。いずれのアプリも、半年未満で開発を完了した。
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