ルネサス エレクトロニクスは、「MEDTEC Japan 2016」において、高精度に脈拍を測定できるソリューションを展示した。
ルネサス エレクトロニクスは、医療機器設計/製造の展示会「MEDTEC Japan 2016」(2016年4月20〜22日、東京ビッグサイト)において、高精度に脈拍を測定できるソリューションを展示した。
同ソリューションは、血流を検知する光センサーと、光センサーからの信号の増幅/A-D変換/フーリエ変換などにより脈拍の計算処理を行うスマートアナログマイコン「RL78/I1E」、算出した脈拍などの情報をBluetooth Low Energy(BLE)により無線送信するマイコン「RL78/G1D」、加速度センサーなどから構成されている。展示では、これらをリストバンド型端末のキットとして組み合わせたデモンストレーションとして披露した。
RL78/I1Eは2015年12月開催のプライベート展「Renesas DevCon Japan 2015」で披露した。従来のスマートアナログマイコンよりもアナログ回路の性能を向上しており、ΔΣ型A-Dコンバータの分解能は12ビットから24ビット、増幅回路のゲインは1〜32倍から1〜64倍となっている。性能向上する一方で、外形寸法が4mm角のBGAパッケージに集積した。
同ソリューションは、スポーツなどで体を動かしている間でも高精度に脈拍を測定できることを特徴としている。一般的な脈拍計の場合、安静状態から歩行、階段の上り下りといった体動によって発生するノイズの影響で正しく脈拍を計測することはできない。これに対してルネサスのソリューションは、スマートアナログマイコンで、高精度の信号処理と加速度センサーで検知した体動ノイズの除去を行えるため、体を動かしていても正確に脈拍を計測できる。その正確さは、「入院時などに使うパルスオキシメーターと同等」(ルネサスの説明員)だという。
この脈拍測定ソリューションは、2013年ごろから、従来のスマートアナログマイコンなどを使って開発を進めてきた。完成度が高まってきたこともあり、今後は正式な外販に向けた準備を進めていく方針である。
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