車載イーサネットにリング型トポロジーを採用、デンソー「冗長性高められる」 : 車載ソフトウェア
デンソーは、車載イーサネットのカンファレンス「2015 IEEE-SA Ethernet&IP@Automotive Technology Day」の展示ブースで、車載イーサネットのコンセプト展示を行った。リング型トポロジーにより冗長性を高めたことが特徴だ。
デンソーは、車載イーサネットのカンファレンス「2015 IEEE-SA Ethernet&IP@Automotive Technology Day」(2015年10月27〜28日、パシフィコ横浜)の展示ブースで、車載イーサネットのコンセプト展示を行った。
同社のコンセプト展示の狙いは2つある。1つは、車載イーサネットのネットワーク構成にリング型トポロジーを採用して冗長性を確保していることだ。
デンソーの車載イーサネットのコンセプト展示。リング型トポロジーなので、ある箇所でワイヤーハーネスが寸断されたとしても通信を維持できる(クリックで拡大)
従来のCANと同様にバス型のトポロジーを採用していると、万が一ワイヤーハーネスが寸断されたときに、車載システム間の通信ができなくなってしまう。リング型トポロジーであれば、ある箇所でワイヤーハーネスが寸断されたとしても、もう一方のワイヤーハーネスを使って車載システム間の通信を維持できる。
展示のもう1つの狙いは、車載システムを新たに追加する際に、自動的に車載ソフトウェアをダウンロードする仕組みを示すことだ。
展示に使ったミニチュアカーには、車載カメラが車両の前後左右に4個搭載されている。デモでは、まず車両の前後2個の車載カメラを搭載したことになるスイッチを入れると、フロントビュー/リヤビューモニターの車載ソフトウェアをセンターサーバからダウンロードする。そして、もう1つのスイッチを入れると、車両の左右の車載カメラを追加して搭載したことになり、車両の前後左右4個の車載カメラを使うサラウンドビューの車載ソフトウェアをダウンロードするようになっている。「PCのプラグアンドプレイのように新機能を追加できる」(同社の説明員)という。
前後の車載カメラを持つ状態から2つ目のスイッチを入れると、新たに左右2個の車載カメラを搭載したことになり、サラウンドビューなどさらなる追加機能に対応する車載ソフトウェアをダウンロードする(クリックで拡大)
また、センターサーバから車両内の車載イーサネットまで、全てTCP/IPベースの通信になっているので、プラグアンドプレイのような仕組みの導入が容易になるとしている。
実用化時期については「あくまでサプライヤとしてのコンセプト提案」(同説明員)として明らかにしなかった。
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