リコーは「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」(会期:2015年6月24〜26日)に出展し、カメラだけで生産の作業指示が行える「ALL IN ONE 作業指示システム」を参考出品した。
リコーは2015年6月24〜26日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」に出展し、カメラだけで生産の作業指示が行える「ALL IN ONE 作業指示システム」を参考出品した。
ALL IN ONE 作業指示システムは、画像認識技術を活用し、「作業の手順」を表示するとともに、「作業ミス」に対し、アラートを自動で発し、ポカミスを防ぐシステムだ。特徴となるのが、カメラ本体に、画像認識システムとアプリケーションが内蔵されており、カメラとモニターを接続するだけで簡単にシステム設定が可能な点だ。
以前から、セル生産などで作業精度を上げるためにカメラを利用した画像認識システムや、プロジェクタなどを活用した作業支援システムは存在した※)。しかしこれらは、専門知識を持ったシステムインテグレーターや作業支援部隊などの補助があって構築できるもので、製造現場だけでこれらのシステムを組み上げるのは難しかった。
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しかし、今回リコーが参考出展した「ALL IN ONE 作業指示システム」では、全てのシステムやアプリケーションはカメラに内蔵されており、モニターと接続してカメラを作業台の上に設置すれば良いだけだ。後は内蔵アプリケーションの指示通りに作業指示書をインストールし、各種設定を選択していくだけで、作業指示システムを構築できる。
リコー インダストリアルソリューションズ インダストリアルパートナー本部 産業機器モジュール事業センター 開発室の杉本秀樹氏は「従来型のシステムは製造現場で構築しようとすると作業面、コスト面での負担が大きく、ほとんど大企業でしか導入されていない状況だった。これらの負担を軽減し、中堅以下の製造業でも利用できるシステムを実現したかった」と述べている。
現在はリコーインダストリアルソリューションズの鳥取事業所内で実証実験などを進めているところだ。現状では「価格や発売時期は未定で、ニーズを探っているところだ」(杉本氏)としているが、「目標としては2016年3月までに商品化を実現したい」(同氏)と話している。
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