では早速、競技の様子を見ていこう。まずは新設のデベロッパー部門アドバンストクラスから紹介したい。
競技のルールは従来同様。制限時間は2分間で、ゴールまでに要した「走行タイム」から難所のクリアなどで得られる「ボーナスタイム」を引いた時間が競技結果の「リザルトタイム」となる。難所の内容はインコース/アウトコースで異なっており、それぞれ1回ずつ走行し、合計タイムで順位を競う。
難所の内容は、イン側が「モーグル」「直角駐車」「フィギュアLターン」、アウト側が「ジャンプ」「縦列駐車」「仕様未確定エリア」の3つずつ。周回コースになっているので、なるべく難所を避けて1周し、走行タイムを確定させてから、難所の攻略に取りかかる戦略が基本だが、ルール上は、どのような順番であっても構わない。
しかし今回の大会では、その“1周”すらできずにリタイアするチームが続出。全15チーム×2回走行で完走できたのは11回、完走率は36.7%という難しさだった。しかも、イン/アウトともに完走することができたのは、「R3-D7」(デンソークリエイト)と「あんたま」(個人チーム)のたった2チームのみ! 当然、この両者が1位と2位になった。
難所を通らなければ単なるライントレースで良いのだが、それでもこれほど完走が少なかったのは、やはり走行体が新型であったことが要因として大きいだろう。各チームともノウハウが無い中での挑戦だったわけで、恐らく次回になれば、完走はもっと増えるはずだ。
ところで前述のように、このNXTrikeはギヤ比を選択できるのだが、ほとんどのチームはトルク重視の1:1を採用しており、スピード重視の1:5を採用したチームは無かった。中間の1:3を採用したチームはいくつかあったのだが、その中でも圧巻だったのは「Champagne Fight」(リコーITソリューションズ)のアウト側走行だ。
アウト側は仕様未確定エリアがコース上にあるため、普通に1周すると避けて通れないのだが、途中でイン側にコースチェンジすることで、この難所をスルー。1周した後で難所を全部クリアして、−53.5秒という驚きのリザルトタイムを叩き出した。イン側でリタイアしたため、順位は3位にとどまったが、アウト側の難所を全て攻略できたのはこのチームだけで、その点でも見事だ。
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