とは言っても、場合によっては、デバイスが汎用的(例えば、特定のコマンドを投げると、それに対して応答するようなデバイス)なので、特定の“Product Type”に依存しない作りにしたい場合だってあります。また、OSとのインタフェースにしても、推奨されているものよりも、もっと自由度を持たせたい理由で、独自のインタフェースを定義したい場合があります。
“Product Type”がどうしても決まらない場合に、例外として“Device-Other”(Windows Logo Kitで言うところのUnclassified ) というカテゴリでテストを実施することも可能です。“Device-Other”というのは、そのような“Product Type”が存在するという意味ではなく、どの“Product Type”にも当てはまらないということを表しているだけです。そのため、“Device-Other”がMatrixの中に存在しないからといって、くれぐれもMicrosoftに「どこにあるのですか?」と問い合わせたりしないでください。
このようなケースでは、前編で説明した、「(3)特定の製品がWindowsと相互にやり取りするために必要な機能のテスト」以外のテストを実施することになります。しかし、この場合は、全てのテスト項目に合格して、結果をマイクロソフトに提出しようとも、Windowsハードウェア認定を取得した。と認められません。つまり、Windowsロゴマークを製品に使用することができない。ということになります。
これはかなり酷な仕打ちですね (- -;)
そもそも、認定を受けることが不可能なら、HCKテストを実施するメリットは? と思ってしまいますが、一応メリットはあります。HCKテストに合格することで、Microsoftの署名の取得、及びWindowsアップデートからのドライバの配布は可能です。
ここで、ハードウェア認定は諦めるか、どうしても認定を取る必要があるので、時間はかかってでもマイクロソフトと交渉するか、二者択一を迫られるわけです。後者の場合は、以下にメールしてください。
[ハードウェアサブミッション関連]
sysdev@microsoft.com (英語でメールする必要あり)
その他、ハードウェア認定に関するメールアドレスは以下のURLにまとまっていますので参考までに載せておきます。
ちなみに、もっと恐ろしい事実を。
PCを購入すると、PCにWindowsのロゴマークが貼ってあることが多いと思います。
これは「ハードウェア認定を受けたシステム」ということを表していますので、オンボードでPCに搭載されている「デバイス」の全てが、同様にハードウェア認定を受けていることを表します。もちろん、その「システム」に、アンチウイルスソフトなどが事前に組み込まれている場合は、それらは「フィルタ」というカテゴリで認定を受けています。
つまり、「システム」として認定を受ける場合は、それを構成する製品についても、ハードウェア認定が必須ということです。
このような出荷形態を想定している場合、たった1つの“Product Type”を持たない「デバイス」が組み込まれているだけで、そのPCは、ハードウェア認定を受ける資格がない。と見なされてしまいます。容赦なしですね。(>w< ;)
いずれ、そのようなデバイスにも対応できる、新しい“Product Type”ができると良いのですが。
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