2014年9月2〜6日の5日間、静岡県袋井・掛川市内の小笠山総合運動公園(通称「エコパ」)で「第12回 全日本学生フォーミュラ大会」が開催される。その試走会が同年8月5〜6日に富士スピードウェイで行われた。
自動車技術会は2014年9月2〜6日の5日間、静岡県袋井・掛川市内の小笠山総合運動公園(通称「エコパ」)で「第12回 全日本学生フォーミュラ大会(以下、学生フォーミュラ)」を開催する。学生フォーミュラは、学生チームが企画・設計・製作を行ったオープンタイプの1人乗りフォーミュラカーを対象とする競技会。車両の走行性能だけでなく、コンセプトや設計、コストなども審査対象となっており総合的なモノづくりの力が試される。その試走会が、同年8月5〜6日に富士スピードウェイで行われた。
試走会には40チームが参加した。この試走会から本番までは既に1カ月を切っており、どのチームもマシンの最終調整の段階に入っている。各チームは富士スピードウェイの駐車場に設置されたプラクティスコースを走行する他、車両のコーナリング性能を測るスキッドパッドや、加速性能を測定するアクセラレーションなどを行った。これらは本番でも審査対象となる項目であり、各チームは実戦的な走行練習とマシンのチェックを行うことができる貴重な機会として真剣に取り組んでいた。
会場にはホンダのボランティアチームによる修理工房も設置されている。学生チームのマシンに大きな不具合が生じた際にはここで修理や相談を受けることが可能だ。この工房ではプロの技術者が教える溶接講習も開催されており、学生ら熱心に耳を傾けていた。
学生フォーミュラを主催する自動車技術会の育成・イベントグループ/情報・広報課の島田和弥氏に、第12回大会の見どころについて伺った。ポイントとなるのは、各チームがマシンにエアロデバイスを採用するか否かにあるという。エアロデバイスは、装備すれば旋回性能が向上するといったメリットがあるが、その分重量が増えてしまう。また、採用しない場合はデザイン審査で得点が伸びない場合も多い。そのため、このエアロデバイスのトレードオフをどのように判断するかが、得点を争う上で大きなポイントになるという。
2012年に開催された第10回大会では、京都工芸繊維大学がエアロデバイスなどを採用しない軽量化に特化したマシンで総合優勝を飾ったことが話題となった。同様に、翌年の第11回大会でも京都大学がシンプルな設計のマシンで総合優勝に輝いている。しかし、京都大学は今大会からエアロデバイスの採用に踏み切っており、前年度の覇者のこの判断が結果にどう影響するかも注目だ。
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