アットマークテクノは「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展」において、試作開発から量産まで幅広く対応可能な組み込み機器向けプラットフォーム製品「Armadilloシリーズ」を全面に訴求。展示ブースでは、新製品や既存製品のアップデートに関する展示デモを見ることができた。
アットマークテクノは2013年11月20〜22日までの3日間、パシフィコ横浜で開催されている「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展」において、試作開発から量産まで、幅広く対応可能な組み込み機器向けプラットフォーム製品「Armadilloシリーズ」を全面に訴求していた。
同社の展示ブースでは、同年1月から販売を開始しているインテリジェントカメラ向けプラットフォーム「Armadillo-810」に関するアップデートや、新製品のモジュール型組み込みプラットフォーム「Armadillo-410」などの展示デモを見ることができた。
Armadillo-810は、ルネサス エレクトロニクス製アプリケーションプロセッサ「R-Mobile A1」(ARM Cortex-A9)を搭載した省電力・ファンレスの組み込みCPUボードと、同サイズのCMOSカメラモジュール(シキノハイテック製)から構成されるインテリジェントカメラ向けプラットフォームだ。これに、専用オプションボード「ATB-M2M」を組み合わせることで、「撮る」「考える」「伝える」をシームレスに処理する装置を容易に実現できる。
リリース当初から、オープンソースの画像処理ライブラリ「OpenCV」や沖電気工業の顔認識ミドルウェア「FSE(Face Sensing Engine)」などをサポートしてきたが、今回、新たに独MVTec Softwareの「HALCON」にも対応。これにより、HALCONが得意とするFA分野に加え、食品分野や物流分野などへの展開が可能になるという。
展示会場では、Armadillo-810で飲料缶の裏に刻印されている文字を撮影し、HALCONで文字認識させて、その結果をディスプレイ上に表示させるデモを披露していた。「インテリジェントカメラを実現できるプラットフォームとして、Armadillo-810をリリースしたが、実際に使ってもらう際、“考える”の部分に当たる“画像処理”をどうするかというハードルがあった。OpenCVでごりごり開発することももちろんできるが、それでは手間が掛かる。今回、開発のハードルを下げ、確実にモノづくりにつなげてもらえるよう、マシンビジョンの世界で標準的に使用されているHALCONをサポートすることにした」(説明員)。
同じくArmadillo-810を用いたデモとして、災害監視システムを披露。展示会場では、Armadillo-810を用いた監視カメラで積雪レベルを監視し、その計測値、位置情報、画像などをクラウド側に送信することで、管理PCなどから遠隔監視できるシステムを実演。管理PCからクラウド上のWebサービスにアクセスし、監視状況を「通常」「警戒」「危険」の3段階で確認できる他、管理PC側からパトライトのON/OFF、写真撮影、除雪(除雪用のアームを動かす)指示などの機器制御命令をArmadillo-810側へ送ることができる。デモシステムでは、M2Mクラウドプラットフォームとして、Salesforce.comの「Heroku」と「Service Cloud」が用いられていた。
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