複数の物理ドライブをグループ化して、「仮想ドライブ(記憶域スペース)」を作成・使用できるようにするための機能です。
ここで、物理ドライブの接続方式やサイズは、異なっていても問題ありません。
この機能は、冗長化機構をソフトウェアで実現・提供しているので、組み込み機器で役立ちます。具体的に、記憶域スペースでは表1に挙げる機能を提供しています。
回復性の設定 | 概要 |
---|---|
双方向ミラー | データのコピーを2つ持ち、2つのドライブに保存する |
3方向ミラー | データのコピーを3つ持ち、5つのドライブに分散保存する |
パリティ | データを複数のドライブに分散保存するだけでなく、パリティ情報も保存する |
表1 冗長化機構の概要 |
なお、冗長化機構を持たせない場合(回復性設定で[シンプル]を選択した場合)、複数の物理ドライブをまとめ、大容量の1つのドライブとして扱うことができます。
データ領域を、記憶域スペースで確保し、冗長化機構を設定しておくことで、万が一、ドライブの1つが壊れた場合でも、違うドライブに差し替えるだけでデータを復元できます。その際、差し替えるドライブは、故障したものと同製品・同容量である必要性はありません(図2)。そのため、長期間稼働しているような組み込み機器でも問題なく運用を継続できます。
ちなみに、この機能は、Windows 8/Windows 8 Pro/Windows 8 Enterpriseの各エディションで使用できますが、ブート用のドライブに適用することはできません。
以上、2回にわたり、組み込み機器で使える・役立つWindows 8の“8つの機能”を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ご存じの通り、組み込み機器向けにも「Windows Embedded 8 Standard」「Windows Embedded 8 Pro」「Windows Embedded 8 Industry」と、Windows 8をベースにした最新OSが登場し始めています。当然ながら、本特集で取り上げた“8つの機能”は、これら最新組み込みOSでも活用できます。機会があればぜひ試してみてください。本特集が、読者の皆さまの製品開発のお役に立てれば幸いです。
【前編】に引き続き、本稿の執筆に際しても、Microsoftが認定したWindows Embedded分野のMVP(Most Valuable Professional:最も価値のある技術者)受賞者である古賀信哉さん、高橋一夫さん、田靡哲也さん、町井和美さん、山下喜宏さんより貴重なご意見を頂戴いたしました。この場を借りて御礼申し上げます!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.