管理図に打点した点が、徐々に上昇傾向(または下降傾向)にあるときや、管理限界線に接近して現れるときも原因究明の必要があります(図4)。
長さの長い上昇(または下降)の傾向があるときは、連も同時に出現してきます。前項の(2)にもあるように、連の長さは短くても長さが7の傾向が現れたときは、工程は管理状態にないと判断します。
最後に、管理図を運用する際の注意点について説明します。
管理項目の重要度や、標準の確立状況、作業の変動性、工程能力の関係などによって品質特性を決定します。品質特性の選択は、製造担当、生産技術、検査(品質保証)などの部門が担当します。
(a)管理図の目盛り
管理図の目盛りの取り方は、分かりやすいことが重要です。X−R管理図では、R管理図の管理限界を記入可能な限り大きく取り、原則としてX管理図とR管理図は、同じ目盛りにします。
(b)打点数と管理図の枚数
管理図は、打点の切れ目が多くなると、異常の検定が困難になります。そこで、次のような基準によって図面の枚数を決定します。管理図の様式選定は、状況に合わせて製造部門が担当します。
管理図に打点する時点は、データが得られたときです。できるだけ早く書き入れることが大切です。品質特性値の打点は、製造部門が担当します。
度数分布図の記入欄には、必ず、先月分の度数分布図を赤線で記入しておきます。今月の度数分布は、日々、打点するたびに、点で記入していきます。このとき、先月の度数分布と今月の分布を比較して、工程の品質推移を監視していかなくてはなりません。データの打点を行う製造部門が担当します。
管理図の打点が管理限界外にあったり、点の並び方が異常だと認められた場合、原則として製造部門の現場リーダーが、その原因、処置方法や対策を検討し、その結果を所属上長(係長、課長など)と生産技術部門の担当者に報告します。従って、異常の発生に対するアクションの担当は、製造部門と担当の生産技術部門となります。
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