Windows Embedded Compact 7はOS周りだけでなく、開発環境も多くの強化が行われています。
Windows Embedded Compact 7からVirtual PC-Based Devices(vCEPC)のBSPが開発ツールに標準で添付されるようになりました。Windows Embedded CE 6.0までは、ARMのエミュレータ用BSPが添付されていましたが、代わりにVirtual PC上でWindows Embedded Compact 7を動作させることが可能になりました。
Virtual PC上で、Windows Embedded Compact 7を起動させる手順は以下の通りです。
1.vCEPC BSPを利用してOSイメージをビルドする
2.VHDを作成し、ブートローダーをインストールする
3.手順1.で作成したOSイメージ(NK.BIN)をVHDに格納する
4.Windows Virtual PC、またはVirtual PC 2007からVHD上のNK.BINを起動する
Virtual PC上のWindows Embedded Compact 7からは、以下の周辺デバイスのシミュレーションが可能です。
また、Windows Embedded Compact 7からSilverlightアプリケーションを開発する環境が強化されました。
「Visual Studio 2008」のアドオンツールとして「Windows Embedded Silverlight Tools」が追加されています。これにより、「Expression Blend」で生成したXAMLファイルをVisual Studio上にインポートし、Silverlightアプリケーションのサブプロジェクトを生成できるようになりました。
これまでは、XAMLを手動で取り込み、Silverlightアプリケーション用にSilverlight for Windows Embedded Functionで提供されているAPIを呼び出すコードを実装する必要がありました。しかし、Windows Embedded Compact 7からは、Silverlight Toolsにより、XAMLをインポートすることで自動的にSilverlightアプリケーションのひな型を生成できます。
さらに「リモートツール」もWindows Embedded Compact 7で強化されました。リモートツールとは、開発用PCとターゲットデバイスを接続して、開発用PCからターゲットデバイスの各種情報を参照できるVisual Studioに付属されているツールです。
ターゲットデバイスのレジストリを参照する「リモートレジストリエディタ」やファイル操作を行う「リモートファイルビュワー」などが用意されています。また、ターゲットデバイス上のスレッドの実行状態を時系列で表示できる「カーネルトラッカ」があります。
これまで、各ツールが独立して存在していましたが、Windows Embedded Compact 7からはこれら各ツールの機能が統合され、「Remote Tools Framework」という名前でリニューアルされました。従来のWindows Embedded CEのリモートツールに使い慣れている方は最初戸惑うかもしれませんが、Windows Embedded Compact 7ではRemote Tools Frameworkという1つのツールから各機能を呼び出せるようになっています。
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