2011年6月22〜24日に開催される「第22回 設計・製造ソリューション展」。久々の出展となるメンター・グラフィックス・ジャパンは、プリント基板の回路設計から製造に至るプロセスを一気通貫でサポートするツール群を一挙に展示する。同社によれば、こうしたサポートは「業界初で唯一だ」という。
Mentor Graphicsの日本法人であるメンター・グラフィックス・ジャパンは、プリント基板設計ツールの大手ベンダーである。以前から、「Expedition Enterprise」というPCB設計ソフトウェア製品を供給していた。市場シェアは、「世界では現時点で50%を達成している」(日本法人のマーケティング部でフィールド・マーケティング・マネージャーを務める澤田修氏)という。ただ、日本では最大手の図研が高い市場シェアを獲得しており、同社は比較的低いシェアにとどまっていた。
しかしこの状況に現在、変化の兆しがあるという。プリント基板の製造性を考慮した設計(DFM:Design for Manufacturability)支援ツールで80%程度の市場シェアを持つ大手ベンダーのValor Computerized Systems(バロール)を2010年3月に買収したことがきっかけになり、「日本市場においても、当社への注目が徐々に高まっている」(同氏)というのだ。バロールが提供していたプリント基板用DFMツール「Valor Enterprise 3000」は、現在、機能を強化するとともにExpedition Enterpriseとの連携性を高めた後継品「vSure」として供給されている。
バロールの買収によってメンターが獲得したのはDFMツールだけではない。バロールのもう1つの大きな柱であるプリント基板製造ライン構築/管理ツール群「valor MSS(Manufacturing Systems Solutions)」も手に入れた。さらに、バロールがOrbotechとの合弁企業として運営していたFrontline PCB Solutionsも取得している。具体的には、製造性を考慮したパターン設計(DFF:Design for Fabrication)を支援するツール「InPlan」やCAMツール「InCAM」などを提供できるようになった。この結果、「プリント基板の設計から製造に至るまで、全てのプロセスを一気通貫でサポートできるようになった。これは業界初であり、今もなお当社が業界唯一だ」(同氏)。
今回の設計・製造ソリューション展では、これらの製品群を一挙に展示する。「前回の出展は5年ほど前にさかのぼる。ブースの規模は小さく、展示も自動車や航空機のケーブル/ハーネス設計ツールにとどまっていた。今回は、大型のブースを設けて、プリント基板の包括的なソリューションを体感してもらう」(同氏)。回路図と制約の同時設計や、トップダウンのシステム設計手法、DFMの他、プリント基板統合システムの設計に欠かせないシステムレベルの熱解析や、シグナルインテグリティ/パワーインテグリティの解析に対応するツールも展示する。また、ケーブル/ハーネス設計ツールも出品するという。
会期 2011年6月22〜24日
時間 10:00〜18:00(24日は17:00に終了)
会場 東京ビッグサイト
小間番号 東ホール2 14-32
編集協力:EE Times Japan編集部
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