シーメンスPLMソフトウェアはiPad用アプリを公開。印刷物なしで、あらゆる場所から情報共有が可能になり、よりスピード感あるモノづくりを可能にするとしている。
シーメンスPLMソフトウェアは2011年4月5日(米国時間)、携帯機器向けアプリケーション「Teamcenter Mobility」を発表した。まずはiPad環境向けに提供する。アプリケーションは既にApp Storeで公開されている。
利用シーンとしては、会議や移動が多い経営層が最新の情報を移動中に確認する場合や、組み付け工程担当者が作業手順を確認する場合などを想定している。いずれのシーンも、従来、印刷されたドキュメントを経由して情報を取得する場合が多かったが、開発中の製品情報や、号機ごとのメンテナンス履歴情報などを逐次追跡することが難しかった。
モバイル端末からその場でアクセスすることで、いままで情報共有が難しかった部門でも最新情報を得られるようになる。同社では関係者がモバイル端末を活用して製品や各種ワークフローに関する情報をその場で検索、表示、操作できるようにすることで、迅速な意思決定を支援するとしている。
今回の発表に際し、Chuck Grindstaff氏は、Teamcenter Mobilityについて、同社が2010年に発表した新しいPLMビジョンである「HD-PLM」の構想に沿ったものだとコメントしている。
「Teamcenter Mobilityは、昨年夏に発表したHD-PLMのビジョン実現に向けた画期的な一歩を記しました。業務中の必要なときにTeamcenterで管理されている最新データを利用できるため、正確な情報に基づいた迅速な対応が可能となり、設計および製造のサイクルタイムをさらに短縮させます」(プレスリリースより抜粋)
同社サポートサイトでは、利用登録したユーザーに対してTeamcenterデータベースの利用方法学習サービス「Teamcenter Mobility Sandbox」やユーザーコミュニティー向けBBSサイトを提供している。
iPadアプリは既存のTeamcenterシステムに接続して業務で利用できる有償版のほか、デモンストレーション用に、シーメンスPLMが提供するデモサイトに接続して検証が行える無償版もある。
掲載当初、無料アプリのみを紹介していましたが、正しくは有償版と無償版があるため、訂正いたしました--2011/04/08
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