3次元CADとRP機を駆使する“俺グッズ”企画、再始動。今回は、思うがままに、イケてるグッズをいろいろと作ってみるぞ!
連載「俺仕様なiPhoneケースを作ろう!」(以下、「俺ケース」)では、評価版3次元CADとRP(Rapid Prototyping)機を使って「俺iPhoneケース」作りにチャレンジした。そこで作ったケースは、いまも毎日愛用中だ。ちなみに、適当な感じで作ったiPhoneケースはその後、さらに発展し、海の向こうで当社のチーフデザイナー ニコラ(Nikola Knezevic)がデザインを引き取ってカッコイイものに仕上げてくれて、趣味がリアルな製品になりそうな勢いだ。とはいえ、現在、量産やら販売やら、いろいろと交渉中であり、製品化が現実となるかどうかは別の話。ともかく、実物が一度出来上がると、いろいろな話が始まるものだ。
実は、趣味でいろいろなものをモデリングし出すと面白くなってきて、身の回りのもので、「こんな小道具があれば便利なのに」というものをどんどんモデリングしてしまう。そして、RPで出力したくなってしまう。手元にプリンタがあると、何でも取りあえず紙に打ち出したくなるのと同じ感覚か。もちろん、出力した分だけお金も掛かるのだが。
……しかしながら、連載「俺ケース」で使っていた3次元CADのSolid Edgeは評価版。もう期限が切れちゃった、というわけだ。と思っていたら、昨年の年末に、その新しいバージョン(Solid Edge ST3)がリリースされた(以下の関連リンク)。
今回のリリースでは、従来型の履歴のフィーチャ(シーメンスPLMさんは、「オーダード・フィーチャ」と呼ぶ)と履歴のないシンクロナス・フィーチャが完全に混在できるとのこと。自由なモデリングをやりたいお気楽モデラーとしてはありがたい。いろいろと検討したあとに、後付けでパラメトリックにもできるみたいだ。しかし、ワタクシ的にインパクトのあるニュースは、「レンタルを始める」というもの。かなりお手軽な価格を検討しているとのことなので、値段によってはすぐにレンタルしたいと思った。
いずれにしても結構真剣に使いたくなったので、お願いしまくって、新しいSolid Edgeの評価版を借りられることになった。
「よし、これでまた好きなものをモデリングするぞ!」
趣味のモノづくり、再び始まる。
さて早速、ST3の評価版をインストールしてみたが、見た目が少々変わっていた。右側のパネルがなくなり、モデルを全画面表示で扱えるようになっていて、フィーチャのリストがその左側に出てくる。もちろん必要になったら必要なパネルは表示できるが。
そうそう、今回使うマシンは、Windows7のProfessionalを積んだ新しいのにしたので、前回よりも快適に動いている。ちなみにデフォルトはシンクロナスのフィーチャである。履歴付きフィーチャに変えたい場合には、マウスの右クリックでメニューを出して変更することができるので、従来どおりの作り方をしたい場合にも問題ない。
さて、「2つのフィーチャを混在させる」とはどういうことなのか。前回のシリーズでは、あまりシンクロナスのことは意識しないでモデリングしていたので、取り掛かるまでに比較をかねて、ちょっと簡単な実験をしてみることにした。それが図2に示しているものだ。
四角い箱の上に2本の円柱が立っている。見た目は同じようだが、向かって左側の柱が履歴付きフィーチャ、右側の柱がシンクロナス・フィーチャである。
シンクロナス・フィーチャとオーダード・フィーチャの切り替えは、図3に示しているように、マウスの右クリックで簡単に行き来することができる。
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