2つ目のデモンストレーションは、明るさ(ルクス)と電力(ワット)を計測できるZigBee付き電源タップで取得した情報をZigBee通信モジュールが接続されたWindows PCで受信。Sensor APIでこのデータを取り出し、Sensorアプリケーションが北米にある「Windows Azure」ストレージに格納し、Windows Azure上の「Silverlight」アプリケーションでそれを確認するというもの。
「このデモンストレーションは、『Microsoft Tech・Days 2010』でも披露されたものだが、今回はその拡張版となっている!」と太田氏。
同システムの開発に携わった富士ソフト システム開発グループ MSユニット 第1技術ディビジョン 武田 裕希氏と廣瀬 晃氏が、セッション会場に設置されたZigBee付き電源タップ5個(うち3個にはヘアドライヤーを接続)を用い、スマートメーターシステムのデモンストレーションを実施した。
「このシステムでは実機サーバを使用していない。北米にあるWindows Azure上のデータを取得して表示させている。そのパフォーマンスにも注目してほしい」と武田氏。
さらに、「Windows Embedded CE」搭載の評価ボードでWindows Azureにアクセスし、取得データをグラフ表示するデモンストレーションも実施された(こちらは残念ながらうまく動作しなかった)ほか、スペシャルゲストとして登場した富士ソフトのヒューマノイド「PALRO」と同システムとの連携も披露された。
武田氏が「PALRO、監視をはじめて」と指示を出すと、PALROが「分かりました。監視を開始します」と応答。このタイミングでPALROがWindows Azure上のストレージにアクセスし、データの常時監視を開始し、データが設定された閾値を超える(データが変化する)と、PALROが音声でそれを教えてくれる。
1番目のZigBee付き電源タップに接続されたヘアドライヤーをONにした場合、「1番電源タップの電力量が1000ワットを超えて使用されています。このまま1時間使用を続けると634グラム相当のCO2を排出します」とCO2排出量まで教えてくれるPALRO。また、明るさについても「1番電源タップの周りが明るくなりました。問題ありませんか?」(PALRO)と状況変化を音声で伝えてくれる。ちなみにPALROのソフトウェアインターフェイス、ハードウェアの主な仕様は「PALRO Garden」で公開されており、提供されている開発環境やAPI、ソフトウェアライブラリを利用し、ユーザー自身で機能を拡張することも可能だ。
動画1 ヘアドライヤーをONにした際のPALROの動作 |
PALROに監視終了を告げた武田氏は、「センサ技術、Sensor&Location Platform、Windows Azureを活用することで、さまざまなデバイス、さらにはPALROのようなロボットと組み合わせることが可能となる」と述べ、デモンストレーションを締めくくった。
関連リンク: | |
---|---|
⇒ | 富士ソフト |
2つのデモンストレーションを披露した太田氏は、「『センサデバイス』『クライアントアプリケーション』『サービス』が整って、“センサエコシステム”ができる」とし、「センサで取得したデータに意味付けをして、さまざまなモノを組み合わせることで世界が広がる。これまでにない面白いアプリケーションが生まれるだろう」と同セッションを総括した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.