続いて同社テクノロジを活用した、より具体的な組み込み機器とクラウドの活用事例として、2つのデモンストレーションが披露された。以下、その模様をお伝えする。
1つ目は、「コンティニュア設計ガイドライン第1版」(補足)に準拠したBluetooth内蔵の体重体組成計/血圧計で計測したヘルスケアデータをPC(データ管理機器)を介して、クラウドに送り、それを評価ボード(.NET Micro Frameworkを用い、T-Kernel上に通信とUIを実現したもの)上に表示させるというものだ。
デモンストレーションを行ったのは、同システムの開発に携わった東芝デジタルメディアエンジニアリング エンべデッドシステムグループ エンべデッドテクノロジー担当 エンべデッドワイヤレスチーム シニアエンジニア 刈谷 圭氏。
体重計や血圧計など従来の健康管理機器は、メーカーごとの独自仕様で開発されてきたため、これらの間には互換性はなく、体重や血圧などのヘルスケアデータが活用し切れていなかった。また、通信規格/フォーマットも異なるため、例えばヘルスケアデータを活用したアプリケーションを開発する場合でも、メーカーごとに個別対応しなければならなかったという。
しかし、これらを統一するコンティニュアの認証を受けた健康管理機器であれば、異なるメーカーの機器同士でも接続が可能となり、さらにネットワーク上にあるさまざまな健康管理に関するサービス(例えば、健康に関するアドバイスやフィードバックなど)を効果的に活用することができる。また、「クラウド上に膨大なヘルスケアデータが蓄積されていくことで、これまでになかった間接的なサービス、例えば、統計学的な分析や行動学的分析なども行える」(刈谷氏)と、ヘルスケアデータの取得そのものだけでなく、その先のサービスを考えることの重要性を示唆した。
今回のデモンストレーションでは、東芝のコンティニュア認証済みBluetoothスタックをSensor&Location Platformに対応させ、健康管理機器とデータ管理機器との接続を実現。「当社は、Bluetooth用の制御APIを独自で持っているが、今回はそのAPIを使わずにSensor APIを使用。コンティニュア準拠の健康管理機器とPC(データ管理機器)との接続が簡単に実現できる」と刈谷氏。
以下、デモンストレーションの様子を紹介する。「今回のセッションで行われるデモンストレーションはすべて“ガチ”でやっています! 通しでやるのは今回が初めて」と太田氏。デモンストレーションが成功すると会場から自然と大きな拍手が送られた。
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