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EVの販売が順調な英国が、脱エンジン延期を発表自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

さて、今週大きく話題になったのは、英国の「脱エンジン車延期」のニュースではないでしょうか。これまで英国ではガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車の新車販売禁止の時期を2030年としてきましたが、これを2035年に先送りすると表明しました。

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米国ではストライキ拡大

 米国自動車メーカーの従業員が参加する全米自動車労組(UAW)のストライキは9月22日正午をもって対象が拡大されました。時事通信によれば、GMとステランティスが誠実に労使交渉に臨んでいないのが理由だそうです。

 米国アラバマ州では、メルセデス・ベンツ向けの部品を製造するZFの従業員も労働契約の提案に反対し、よりよい内容を求めて抵抗しています。ただでさえ人材確保が難しくなっている中、企業にとっては悩ましい状況が続きそうです。

日野自動車がCJPT復帰

 9月21日は日本自動車工業会(自工会)の会見も行われました。その中で、日野自動車がCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)に復帰することが明かされました。信頼回復に真摯に取り組んでいることや、物流の課題解決には日野自動車も必要であることから、CJPTに参加する各社が復帰に同意しました。

 日野自動車は、2022年3月に公表した燃費不正を受けて同年8月に除名処分となっていました。CJPTはトヨタ自動車や日野自動車、いすゞ自動車、スズキ、ダイハツ工業の共同出資会社でしたが、日野自動車は保有する全株式をトヨタ自動車に譲渡。共同企画など全ての契約から除外されていました。

 CJPTでは、2029年度末に向けて商用車の電動化やエネルギーマネジメントに関する社会実装プロジェクトが予定されています。また、物流に関しては“2024年問題”が待ち構えています。商用車メーカーの協調領域を拡大して対応に当たっていくことが不可欠となっています。

 2024年問題に関して、自工会の会見でいすゞ自動車 代表取締役会長の片山正則氏は「2024年になって、問題が大きく表れてくる。ドライバー不足は2024年以降に改善するわけではなく、ずっと厳しい状況が続くことも覚悟せざるを得ない。どこかにしわ寄せがいくことのない、持続可能な解決策が求められている。高速道路での輸送効率化、自動運転レーンの導入、速度規制見直しなどさまざまな議論があるが、安全を犠牲にした対策はあり得ない。安全を前提にした対策を商用車メーカー4社で協力して発信していきたい」とコメントしました。

 ドライバーの裾野を広げる活動や現実的なカーボンニュートラル対応の重要性にも言及しました。さらに、商用車メーカーに関わる物流を荷主として調査し、トラックに同乗してドライバーの休憩時間や待ち時間などを調べたそうです。調査を踏まえた個々の対策を共有し、これまで難しいと考えられてきた共同輸送の拡大の余地も検討するとしています。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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