ボルボ(Volvo Cars)は2023年9月19日(現地時間)、全てのディーゼルエンジン搭載モデルの生産を2024年初めまでに終了すると発表した。
ボルボは2030年までに販売車種をEV(電気自動車)のみとする計画だ。これに向けて、2022年11月に内燃機関の開発と製造を完全に終了することを発表した。ボルボが持っていたエンジンの生産拠点や研究開発拠点は、吉利汽車の親会社ジーリーホールディング(Geely Holding)と共同出資で設立したAurobayに移管。ボルボが所有していたAurobayの株式は売却済みで、現在はボルボとしてのエンジンに対する研究開発予算は一切設定されていないという。
ディーゼルエンジン車の減少は大気汚染の改善に貢献するとしている。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもCO2排出量が少ないがNOxの排出が多く、市街地での大気環境に悪影響を及ぼすことを理由に挙げている。
ボルボは2021年の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)において、2035年までに主要市場で、2040年までにグローバルで新車とバンの全てをゼロエミッションにする「ZEV宣言」に署名しており、企業としても2040年までにクライメートニュートラルの達成を目指す。
また、ボルボは国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)の気候サミットで発足したA2Z(Accelerating to Zero)連合の一員であり、A2Zマルチステークホルダープラットフォームを通じてZEV宣言の達成に向けてさまざまなステークホルダーと協力して取り組みを調整していくという。
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