アウディもEV100%を宣言、ただし中国ではエンジン車の需要が続く?:自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)
今週もさまざまなニュースがありました。まずは、「脱・内燃機関(エンジン)」を明言した自動車メーカーがまた1社増えたことです。
土曜日ですね。1週間おつかれさまです。今週は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を受けてきました。接種後3〜4時間で微熱が出て、接種から24時間以上の大半を眠っていた以外は何事もなく終わりました。「起きているのもしんどい」と寝込んでいたというわけではなく、とにかく頭がぼーっとしていて、トイレや食事以外は眠っていた、という感じでした。これだけ眠ればもう眠れないだろうというくらい睡眠をとって丸2日たっても、なんとなく眠いですね。
興味深かったのは、大規模接種センターの動線の設計です。人の流れや作業がスムーズになるよう徹底されており、最後の経過観察以外は待ち時間が全くと言っていいほどありませんでした。
大規模接種センターは入口がまず4つのレーンに分かれており、その後は渡されたクリアファイルによって赤、青、黄色、緑の4つのグループに色分けされます。その次に、エレベーターの定員(誘導員を除いて6人)に合わせた小グループで誘導されます。使うエレベーターや行先は、クリアファイルの色ごとに分散されており、先の工程が詰まった場合に備えて、色ごとに小グループ単位で一時停止するための椅子も用意されていました。移動した先でも、接種前の書類チェックや問診などは小グループの6人が問題なくさばけるだけのブースが用意されていました。
誘導されながら、高速道路のETCレーンを思い出しました。料金所によっては、ETCレーンが車線数の2倍ほども設置されていることがありますよね。3車線から6つのETCレーンに分散した後でまた3車線に戻るため、渋滞が起きがちです。工事などで車線が減少する地点も渋滞が起きやすいですよね。入口から分散し、小グループのまま最後まで流しきる、というきれいな動線に感動しました。
アウディの最後のエンジン車は?
さて、ウトウトと眠り込んでいる間にも自動車業界は動いています。今週もさまざまなニュースがありました。まずは、「脱・内燃機関(エンジン)」を明言した自動車メーカーがまた1社増えたことです。アウディは6月22日、「ベルリン気候カンファレンス」において、2026年以降に導入する新型車を全て電気自動車(EV)にすると発表しました。エンジン車の生産は、2033年までに段階的に終了するとしています。
最後のエンジン車の生産は、4年後の2025年から始まります。「アウディ最後のエンジンは過去最高のものになることを断言できます」(アウディ CEOのマルクス・ドゥスマン氏)とのことなので、楽しみですね。一体どのエンジンが有終の美を飾るのでしょうか。そして、やはり最後となると、そのクルマは売れるのでしょうかね。
ただ、この発表に関して、気になるところが幾つかあります。1つは中国ではエンジン車の需要が2033年以降も続くと見込んでいる点です。中国ではエンジン車を2033年以降も生産、販売する可能性があるとしています。もう1つは、エンジンの生産終了のタイミングを「ユーザーの意向と法律の要件に従って決定する」としているところです。ユーザーを無視してまでEVシフトを進めるわけではないのは、当たり前といえば当たり前のことかもしれませんが、脱エンジンを覆すだけのユーザーの意向というのはいかほどのものなのでしょう?
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