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太陽光発電システムや再エネ電力を用いたEV専用タイヤの生産を開始:工場ニュース
横浜ゴムは、太陽光発電システムや調達する再生可能エネルギー由来の電力を用いたハイパフォーマンスタイヤの生産を開始したと発表した。愛知県の新城南工場を「カーボンニュートラルモデル工場」にする考えだ。
横浜ゴムは2023年9月6日、太陽光発電システムや調達する再生可能エネルギー由来の電力(再エネ電力)を用いたハイパフォーマンスタイヤの生産開始を発表した。愛知県新城市の新城南工場で、EV専用タイヤ「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」などを生産する。
同社は2030年までに、同工場をCO2排出量ゼロの「カーボンニュートラルモデル工場」にする考えだ。それに向けて、太陽光発電システムや再エネ電力の活用、ボイラー燃料の天然ガスへの転換などを進めている。
2023年8月に正式稼働した太陽光発電システムの出力規模は約1.1MWで、年間予測発電量は約1469MWh。環境省の「令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の交付を受けており、年間で約599トン(t)のCO2排出量を削減できるとしている。
再エネ電力は、中部電力ミライズから調達する。電源の特定や産地とひも付けしたトラッキング付きFIT非化石証書と、再エネ指定の非FIT非化石証書が付与されており、使用電力は実質的に100%再生可能エネルギー由来でCO2排出量ゼロの電力とみなされる。これにより削減可能なCO2排出量は、年間で約570tになる見込みだ。
同社は新城南工場で得られた知見をもとに、2030年以降、他の生産拠点にも取り組みを広げる。2050年までには、全生産拠点のカーボンニュートラル化を予定している。
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