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早くから盛り上がっていたはずの「軽商用車のEV化」はなぜ失速?自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

今週は佐川急便が集配用の軽自動車をEV(電気自動車)に切り替えるというニュースが話題になりました。

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宅配物流向けEVトラックに日野が自信作

 日野自動車が小型EVトラックを2022年に発売すると発表し、日本の商用車は決して出遅れているわけではなく、ラインアップに電動車が少しずつ増え始めているのを実感します(関連記事:宅配物流に「使えるEV」、日野が2022年初夏に超低床FF小型電動トラックを発売)。日野の小型EVトラックはかなりの自信作なのだとか。2013年ごろから実証実験で検討してきた超低床のコンセプトで製品化されます。

 国土交通省と経済産業省が主催する「カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会」に出席する物流関係者の声を聞いていると、ライフサイクルアセスメントでCO2排出量を評価すべきだとか、電気や水素をつくるときのカーボンニュートラル化が遅れているだとか、そういう指摘が目立ちます。それはそれで正しい指摘だとは思いますが、クルマに対する要望を具体的に出していかないと本当に必要な電動車を誰も作ってくれなくなるのでは、と少し危うく感じます。

1000TOPSの頭脳でクルマは何をできるようになる?

 今週MONOistで公開した記事についてもご紹介します。まずは、自動運転車のコンピュータの進化を予告する「「TOPS競争」は次の段階へ、アップデートし続ける自動運転車向けにNVIDIAが1000TOPS」です。

 NVIDIAは2025年ごろに量産車での採用を見込む最新SoC(System on Chip)として、「Atlan」を発表しました。その処理性能は1000TOPS(1秒当たり1000兆回の演算)です。1000TOPSとだけ見てもイメージが湧きにくいかもしれませんが、ボルボが2022年に「XC90」の次期モデルで採用する「Orin」というNVIDIAのSoCが、最大254TOPS (1秒当たり254兆回の演算)です。ちなみに、ルネサス エレクトロニクスが現実的に扱えるコストと性能のバランスを追求して開発し、2023年から量産するSoC「R-Car V3U」の場合で処理性能は60TOPS(1秒当たり60兆回の演算)です。

 どのようなレベルの自動運転システムを開発するのかによって最適なSoCは違いますし、車両のパッケージングや冷却の設計、車両の販売価格によって採用できるSoCも変わってくるでしょう。SoCの性能を起点にクルマを考えるのは順番として変かもしれませんが、半導体によって自動車の性能がまだまだ伸びていくことはとても楽しみに感じます。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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