空研工業とRecursiveは、OpenAI APIを活用した「AIナレッジ基盤システム」を共同開発した。過去の図面や技術資料から必要な情報を検索する「図面検索」と、複数の資料の整合性を確認する「図面チェック」の2機能を備える。試用段階では、従来数十分から半日を要していた図面探しが平均4.5分で完了したという。
空研工業とRecursiveは2026年11月4日、OpenAI APIを活用した「AIナレッジ基盤システム」を共同開発したと発表した。空研工業が70年以上にわたり蓄積してきた図面や技術資料をAI(人工知能)で読み取り、必要な情報の検索や資料間の整合確認を支援することで、空調機器の設計やメンテナンスに伴う業務の効率化を図る。
空研工業は、冷却塔をはじめとする空調機器の設計/製造を手掛けている。同社では、長年蓄積してきた紙資料のデジタル化を進めてきたものの、図面や技術資料は年代や形式が多岐にわたり、表記にもばらつきがあった。そのため、過去に納入した設備のメンテナンスに必要な図面や技術資料の検索に多くの時間を要していた。
また、工場仕切通知書に記載された仕様が外形図や納入仕様書に正しく反映されているかを確認する作業では、担当者が複数の資料を見比べる必要があった。資料ごとの表記揺れや改訂枝番の違いもあり、参照すべき資料や図面の判断が担当者の経験や知見に依存していたという。
今回開発したAIナレッジ基盤システムは、図面や仕様書、技術資料から部品番号や型式、寸法などの情報をAIで抽出/構造化し、ナレッジデータベースとして再構築するものだ。「図面検索」と「図面チェック」の2つの機能で構成され、資料の探索から整合確認までを支援するWebアプリケーションとして開発された。
図面検索機能では、部品表(BOM)などのファイルをアップロードすると、AIが部品番号を抽出し、過去の図面データから対応する図面ページを検索する。完全一致による検索に加え、改訂番号や枝番の違い、文字列の近さを考慮した候補も提示する。検索結果には候補となる図面ページやそのプレビューが表示され、利用者が元資料を確認できる。
空研工業の福岡工場における試用段階では、従来、数十分から1時間、場合によっては半日を要していた資料探索が平均4.5分で完了した。2025年度の実績を基にした試算では、図面検索にかかる年間工数を約90%削減できる見込みだという。
図面チェック機能は、工場仕切通知書と、外形図や納入仕様書の内容を比較し、仕様の整合確認を支援するものだ。各資料をWebアプリケーションにアップロードすると、AIが型式や寸法、注記などの情報を抽出/構造化し、基準となる資料との比較結果を差分候補として表示する。該当箇所は元資料と併せて画面上で確認できる。
また、必須注記やバルーンの抜けなど、外形図に固有のチェック項目にも対応する。ただし、手書き注記やレイアウトの誤りを全て網羅するものではなく、AIによる探索や比較の結果を基に、最終的な判断は技術者が行う仕組みとなっている。
両社は今後、現場での試用とフィードバックを重ねながら、古い図面や手書き注記の読み取り精度の向上、データ整備、セキュリティやアクセス権限の運用検証などを進める。2026年内には、空研工業の福岡工場と千葉工場での本格導入を目指すとしている。
※本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
3D CADデータ×AIで造船設計を支援、設計情報の確認作業を効率化へ
燃料集合体を「開閉」して原子炉の反応度を制御、新方式を発明
AI導入から成果創出へ デル・テクノロジーズ新社長が示す日本市場の事業戦略
データセンター級のAIをローカルで、HPが大規模AI向けワークステーション発売
設計開発の知見をAIとの対話で蓄積、横断検索による回答生成にも対応
NSKが3DA製造図の活用基盤に「XVL」採用、設計と生産準備のデータ連携を推進Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
メカ設計の記事ランキング
よく読まれている編集記者コラム