パーム廃木からバイオ燃料生産に挑む、インドネシアでスケールアップ実証:リサイクルニュース(1/2 ページ)

JパワーとGEIは、インドネシアで大量発生するパーム廃木を活用したバイオエタノールやバイオ燃料の製造に関するスケールアップ実証に着手する。

» 2026年10月20日 07時15分 公開
[遠藤和宏,MONOist]

 電源開発(以下、Jパワー)とGreen Earth Institute(以下、GEI)は2026年10月7日、東京都内で記者会見を開催した。同会見では、インドネシアにおいて、オイルパーム廃木(OPT: Oil Palm Trunk)を原料としたバイオエタノールとバイオマス燃料製造事業の商業化に向けたスケールアップ実証を実施するため、「インドネシア共和国におけるパーム残渣を活用した化学品及びバイオ燃料生産を行う複合事業」に関する業務委託契約を締結したと発表した。

糖化の設備が不要でコストが低く、有利

 世界で最も消費されている植物油であるパーム油の生産を担う東南アジアのパーム農園では、果実の収穫量を維持するために定期的な植え替えが行われている。そのため、毎年膨大な量のOPTが発生している。しかし、OPTは水分や糖分を多く含み、適切な処理を行わない場合、メタンなどの温室効果ガス(GHG)や病害虫の発生要因となるため、その有効活用が大きな課題となっている。

アジアに眠る莫大(ばくだい)な未利用非可食バイオマス アジアに眠る莫大(ばくだい)な未利用非可食バイオマス[クリックで拡大] 出所:GEI
パーム農園に存在するバイオマス資源 パーム農園に存在するバイオマス資源[クリックで拡大] 出所:GEI

 こうした未利用資源を有効活用し、バイオ燃料などの新たな価値へと転換することが、今回の事業の狙いだという。

環境問題を引き起こすOPT→バイオ燃料の原料として活用 環境問題を引き起こすOPT→バイオ燃料の原料として活用[クリックで拡大] 出所:GEI
GEI 代表取締役CEOの伊原智人氏 GEI 代表取締役CEOの伊原智人氏 出所:GEI

 未利用資源の中でOPTに注目した理由に関して、GEI 執行役員/事業開発部長の加藤淳平氏は「OPTは、搾ると糖液が出るという特徴がある。そのため、糖化の設備が不要でコストが低く、有利だからだ」と説明した。

 同社 代表取締役CEOの伊原智人氏は「これまでOPTを搾っても発酵阻害物質などがあり活用が難しかったが、Jパワーと一緒に工夫することで量産化の可能性が見えてきた」と触れた。

 Jパワーが2019年に実施したGEIへの出資後、両社はこれまで、未利用資源であるOPTをベースに、バイオエタノールやバイオマス燃料の生産を行う事業を統合した複合事業の事業性評価のための調査/検討を進めてきた。今回、これまでの調査/検討から一段階進み、商用化を見据えたスケールアップ実証に着手する。

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