3社が高純度なリサイクルポリオールの製造技術確立に向け協業:リサイクルニュース

豊通ケミプラス、三洋化成工業、エボニックの3社が、使用済みポリウレタンフォームから高純度なリサイクルポリオールを再生する技術の開発に挑む。

» 2026年10月15日 11時00分 公開
[遠藤和宏,MONOist]

 豊通ケミプラス、三洋化成工業、エボニック インダストリーズの3社は2026年10月13日、ポリウレタンフォームのケミカルリサイクル技術を活用したリサイクルポリオールの製造/利用に向けた取り組みを共同で開始したと発表した。

ポリウレタンフォームリサイクル技術の商業化および社会実装を国内で目指す

 ポリウレタンフォームは、自動車のシートやマットレス、家具など、日常生活に幅広く利用されている素材だ。一方で、使用済みポリウレタンフォームの多くは、現在も埋め立てや焼却によって処理されており、焼却時のCO2排出や埋め立て処分場の逼迫(ひっぱく)といった環境負荷の増大に加え、再利用可能な有機資源の損失につながっている。

 さらに、従来広く行われてきた粉砕/再成形によるマテリアルリサイクルは、主に低付加価値用途へのダウンサイクルにとどまり、高付加価値用途まで含めた原料レベルでの循環は十分とはいえなかった。

 ポリウレタンのケミカルリサイクルでは、分解反応によりポリオールを再生することが一般的だが、従来技術では副生成物や未分解成分を多く含み、得られるリサイクルポリオールの純度が十分でないことが課題だった。

 そのためリサイクルポリオールは、バージンポリオールとの混合利用が前提となり、100%リサイクル原料としての使用が難しいだけでなく、品質の安定性や国内の化学物質規制への対応の観点からも活用が困難だった。

 今回の取り組みでは、豊通ケミプラスがコーディネーターとして回収ネットワークと物流機能を生かし、全体のスキーム構築と事業推進を担う。また、エボニックが保有するケミカルリサイクル技術と、三洋化成のポリオール設計/プロセス技術を組み合わせることで、従来課題となっていた低純度、高不純物、高温長時間プロセスの改善を図り、エネルギー負荷を抑えつつ、より高純度で安定した品質のリサイクルポリオールの製造/再利用を目指す。

今回の取り組みのイメージ 今回の取り組みのイメージ[クリックで拡大] 出所:三洋化成工業

 具体的には、廃棄されるポリウレタンフォーム(PCR:Post-Consumer Recycled)や、製造工程中に生じる端材(PIR:Post-Industrial Recycled)を回収し、エボニックのケミカルリサイクル技術によってポリオールを再生するスキームの構築を進める。得られた高純度ポリオールは、リサイクル原料として再利用することを想定しており、資源循環型社会の実現に向けたサーキュラーエコノミーの推進に貢献する。

ドイツにあるエボニックのケミカルリサイクルパイロットプラント ドイツにあるエボニックのケミカルリサイクルパイロットプラント[クリックで拡大] 出所:三洋化成工業

 今後は、回収/分別から高純度リサイクルポリオールの製造、再製品化に至るまで、バリューチェーン全体を共同で評価する。この評価には、厳格な品質評価に加え、既存のLCA(ライフサイクルアセスメント)の結果について、プロジェクトで得られるデータを用いて追加検証を行い、技術の商業化および社会実装を国内で目指す。

 この取り組みを通じて、使用済みポリウレタンフォームの資源化、環境負荷の低減、持続可能な社会の実現に向けた新たなリサイクルモデルの構築に貢献していく考えだ。

エボニックのケミカルリサイクル技術を用いて製造された、100%再生ポリオール由来のポリウレタンフォーム エボニックのケミカルリサイクル技術を用いて製造された、100%再生ポリオール由来のポリウレタンフォーム[クリックで拡大] 出所:三洋化成工業

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