オープン化する産業用ネットワークを追う、ITとOTの融合が進む現在地とは:産業オープンネット展2026レポート(2/3 ページ)

» 2026年09月29日 06時00分 公開
[関行宏,MONOist]

CC-Link IE TSN対応の安全コントローラーの新製品――三菱電機

 三菱電機は安全機能を追加した「MELSEC MX-F」コントローラーの新製品を出展した。非常停止スイッチやライトカーテンなどの安全手段を監視し、一般制御部の動作を停止するなどの機能を一台で実現できる。これまでのモデルは一般制御機能とモーション機能だけであり、安全制御を行うには別のコントローラーが必要だった。対応ネットワークはCC-Link IE TSNである。

 もう1つの新製品として、一般制御機能を搭載した「MELSEC MX-R」用の安全オプションユニットを参考展示した。MX-Rは大規模や多軸の高速制御に対応したコントローラーであり、MX-Fの上位に位置付けられる。今回出展した安全オプションユニットを組み合わせることで、プログラムの一元管理やワンネットワークによって安全システムの構築が可能になる。2026年度中の製品化を予定している。

三菱電機の安全コントローラー 安全機能を統合した「MELSEC MX-F」コントローラーの新製品(写真内右)。既に発売済み。同中央にあるのは「MELSEC MX-R」コントローラー(同左)用のオプションの安全ユニットで、2026年度中の製品化を予定[クリックで拡大]

小型のリモートI/Oユニット「ちび丸くん」――アルゴシステム

 アルゴシステムは小型のリモートI/Oユニット「ちび丸くん」を訴求していた。シリーズとしては2014年に発売され、新製品ではないが、ネーミングが秀逸でコンセプトが分かりやすいので取り上げる。

 名前の通り小さいのが特徴で、底面寸法はおよそ50×60mmである。バラ線の本数が少ないアプリケーションに適し、設置の自由度も高い。発売当初はEtherCATなどのサポートに限られていたが、現在はEtherNet/IPやCC-Link IE TSNもサポートしている(対応ネットワークによって製品型番を分けている)。このちび丸くんはEtherCATテクノロジーグループのブースのデモにも使われていた。

 アルゴシステムはちび丸くんの他に、チャネル数の多い「ちゅう丸くん」と、チャネル数がさらに多い「でか丸くん」をラインアップし、多様なユーザーニーズに応えていく。

アルゴシステムの小型のリモートI/Oユニット「ちび丸くん」 アルゴシステムの小型のリモートI/Oユニット「ちび丸くん」。写真内左に、デジタル8点出力ユニット、アナログ4チャネル出力ユニット、アナログ4チャネル入力ユニットが並ぶ。同右上にはアナログ温度入力ユニット(新製品)とIO-Linkゲートウェイが見える。同右中央にある忍者のようなイラストは「ちび丸くん」のオリジナルキャラクターである[クリックで拡大]

CC-Link IE TSN用スタックとリアルタイムOS――イーソル/京都マイクロ

 リアルタイムOS技術を中核としたソフトウェアプラットフォーム製品の開発を手掛けるイーソルは、CC-Link IE TSN用のプロトコルスタックとサンプルアプリケーションを出展した。以前から提供しているソリューションである。

 CC-Link IE TSNの制御局(Class B対応)の開発をサポートするSDKと、ネットワークの故障や異常情報を集中管理する安全局の開発をサポートするSDKの2種類を提供する。いずれも、CC-Link IE TSNのプロトコルスタックとサンプルアプリケーションが含まれる。

 説明員によれば、このプロトコルスタックを含め、CC-Link IE TSN関連の採用実績は多いという。

イーソルが提供するCC-Link IE TSN用のプロトコルスタックの展示,イーソルが提供するCC-Link IE TSN用のプロトコルスタックを用いて開発された制御局(リモート局)(写真内右上)と、同じく安全局(同右中央)。同右手前にあるSTOPと書かれた赤色のボタンを押すと、安全局に信号が入ってモータの回転が止まる[クリックで拡大]

 イーソルが2025年8月に子会社化した京都マイクロコンピュータは、リアルタイムOSの「SOLID-OS」を展示した。こちらも以前から提供しているソリューションである。

 マルチコアSoCのコアを分割し、LinuxとSOLID-OSとに固定的にひも付けて、LinuxとリアルタイムOSの同居を実現するソリューションである。ハイパーバイザーを用いて2つの環境を同居させるソリューションは他社からも出ているが、SOLID-OSはハイパーバイザーを使わないアーキテクチャだ。ハイパーバイザー方式に比べて解析に要する工数を抑えられることがメリットの1つとして挙げられるという。SOLID-OS側とLinux側でOS間通信も可能だ。

 ブースではルネサスのSoC「R-Car V4H」上でSOLID-OSとLinuxを動作させるデモを展示していた。

ルネサスの「R-Car V4H」上にLinuxとSOLID-OSを搭載したデモ ルネサスの「R-Car V4H」上にLinuxと「SOLID-OS」を搭載したデモ。高速に回転する円盤のスリットのフォトインタラプタ出力をSOLID-OSを用いてリアルタイムに検知し、Linuxはその結果に基づいてスリットから対象物を撮影して処理していた。4コアの割り当ては、Linuxが3コア、SOLID-OSが1コアである[クリックで拡大]

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