新機構は、球を3つの構造体に分けるところは従来と同じだが、段差に引っ掛ける部分を球のスライド構造とするのではなく、ピンを配置した点が特徴だ。
「新構造は、さらに高い段差踏破性能を実現したことが特徴だ。さらに整地走行時に低振動、低騒音を実現し、小型で高剛性、高強度、高耐久性を確保する。さらに部品点数が約18%削減できたため、低コスト化も可能となる」と本郷氏は利点について語る。
踏破性能については、従来が車輪直径の35%の段差を越えられたのに対し、50%以上を踏破できるという。「直径の3分の2までは、この構造で踏破できる可能性は見えた。今後はそこを目指してブラッシュアップしていく」(本郷氏)。
ソニーグループでは今後は新機構のブラッシュアップを進めていくとともに、用途開拓などにも取り組んでいく。「今回は建設RXコンソーシアムでの出展で、建設ロボット向けで提案したが、多くの問い合わせを得られている。ただ、用途を絞りすぎずに幅広く提案していきたい。使い方も、ロボットの移動機構を想定しインホイールモーターと組み合わせて使うことを考えているが、受動機構のみでも活用できる。用途を幅広く模索していく。そのためのパートナーを募っていく」と本郷氏は述べている。
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