クラウドで使える「新Gravio」提供開始、ChatGPT対応でデータ検索が容易に製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

アステリアは、専用クラウド「Gravio Cloud」を備え、ChatGPTにも対応した、ノード統合プラットフォーム「Gravio(グラヴィオ)」の新バージョン「新Gravio」を2023年7月3日に提供開始する。

» 2023年06月19日 10時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 アステリアは2023年6月16日、東京都内とオンラインで会見を開き、ノード統合プラットフォーム「Gravio(グラヴィオ)」の新バージョン「新Gravio」を同年7月3日に提供開始すると発表した。本稿では、ノードとは、センサーやカメラといったエッジデバイス、PC、クラウド、AI(人工知能)などの総称を指す。

専用クラウドはAPI連携にも対応

 新Gravioでは、同社が提唱する「Node Date Management(NDM、さまざまな現場に対応するネットワークデータ管理)」を実現するために、従来機能を踏襲しつつ、「専用クラウドサービス『Gravio Cloud(グラヴィオクラウド)』の提供」「ノード〜クラウド間の自動同期」「マルチプラットフォーム対応」「MQTT、HTTP、構造化照会言語(SQL)への接続強化」「各設置場所からのデータ/ファイル転送対応」といった新機能を備えている。

 最大の特徴はGravio Cloudの提供だ。Gravio Cloudは、GPS、4G、LTEが取得した移動体(自動車、トラックなど)の位置、センサーやカメラが検知した設備状況、場所と人のデータ、各現場が保有するデータ(Excelなど)、AIが生成した分析データといった各ノードのデータを集約し、統合管理できる。API連携も行えるため、他社のサービスと接続して各データの分析などが可能だ。アステリア グローバルGravio事業部長の垂見智真氏は「この一連の流れをノーコードで行える」と強調する。

「Gravio Cloud」の活用イメージ[クリックで拡大] 出所:アステリア

 Gravio Cloudのデモンストレーションでは、登録した各ノードから収集したデータを同クラウドのダッシュボート上でグラフ表示した。「ノードとGravio Cloudの同期は、互いに認証ボタンをワンクリックするのみで、その後は自動同期となり情報が収集されるようになる。Gravio Cloudでは、グラフ化した情報の背面に企業のロゴを表示するなど、カスタマイズにも応じている」(垂見氏)。

デモンストレーションで披露された「Gravio Cloud」のダッシュボート[クリックで拡大] 出所:アステリア

 また、従来バージョンはカメラ画像に基づき人の飛び出し予測などが行える推論AIやセンサー、デバイスにしか接続できなかったが、新Gravioは、クラウドサービス、ソフトウェアサービス、データ/ファイル、ChatGPTをはじめとする生成AIサービスなどと接続できるようになっている。「接続できるクラウドサービス、ソフトウェアサービス、データ/ファイル形式、生成AIは今後も拡張していく」(垂見氏)。

「新Gravio」が接続できるソリューション[クリックで拡大] 出所:アステリア

 ChatGPTの使い方は主に「データベース接続におけるSQL文生成サポート」と「ChatGPTによる出力をセンサー情報と組み合わせて利用」の2種類がある。会場では両方の使用方法をデモンストレーションで紹介した。

 「データベース接続におけるSQL文生成サポート」のデモンストレーションでは、まず新Gravioに接続したデータベース内のテーブルを指定した。次に、テーブルから取得したいデータを入力スペースに文章で記入後、「Generate」のボタンをクリックしChatGPTでSQLを生成。続いて、「Accept」のボタンをクリックすることで自動で実行クエリにこのSQLを反映し、あらかじめAPI連携させていたビジネスチャットツール「Slack(スラック)」に取得したいデータを表示した。

会場では「一番古いユーザーのメールアドレスのみ欲しいです」と入力しChatGPTでSQL文を生成[クリックで拡大] 出所:アステリア

 「ChatGPTによる出力をセンサー情報と組み合わせて利用」のデモンストレーションでは、本のバーコード(ISBNコード)を、バーコードリーダーに搭載した新Gravioに読み込ませ、事前にAPI連携させていたISBNコードのオープンデータベースからタイトルを取得した。次に、そのタイトルをChatGPTに入力し、ChatGPTが持つその本のデータを追加情報として表示。なお、ChatGPTが入力したタイトルの情報を持っていなければ追加情報を表示できないという。

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