カーボンニュートラルへの挑戦

見て触れて脱炭素を学ぶ、パナソニックの体験型学習スペースがオープン脱炭素

パナソニックホールディングスは2023年3月22日、地球温暖化対策を学べる小中学生を対象にした展示ブース「Panasonic GREEN IMPACT PARK」を同月25日にオープンすると発表した。

» 2023年03月24日 08時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 パナソニック ホールディングスは2023年3月22日、地球温暖化対策を学ぶ小中学生を対象にした展示ブース「Panasonic GREEN IMPACT PARK」を同月25日にオープンすると発表した。「パナソニックセンター東京」(東京都江東区)の1階フロアを改装して設置する。

水の電気分解などを体験して理解する

 Panasonic GREEN IMPACT PARKは体験型学習コンテンツを通じて、地球温暖化対策のためにCO2削減や資源循環に取り組む意義を紹介する展示ブースだ。メインの来場者層は、学校の課外授業などで訪問する小学4年生から中学生までを想定する。2023年度中に約300校、2万人程度の来場者を見込む。

Panasonic GREEN IMPACT PARKの外観[クリックして拡大]

 パナソニック ホールディングスは長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」で、GHGプロトコルにおけるスコープ1、2、3のCO2排出量と、自社製品やサービスを通じた省エネ効果の指標である「削減貢献量」を合計した約3億トン分のCO2について、2050年までに「削減インパクト」を創出するとしている。展示ブースでは、こうした目標達成に向けたパナソニックグループの技術やソリューション開発などの取り組みも紹介する。

 展示ブースは、CO2が生活の中で排出される場面や、CO2排出量を減らすための暮らし方、各発電方式とCO2排出の関係性、リサイクルなど資源循環の取り組みの4テーマに沿って構成されている。コンテンツには、ボタンを押すと風船が膨らみ1kg相当のCO2の体積を視覚的に理解できる展示や、家の中の不要な電気を消してポイントを得るゲームなどがある。

CO2の体積が視覚的に分かる風船(左)と不要な電気を消していくゲーム(右)[クリックして拡大]
杉などの間伐材やコーヒーかすなどを原料とするセルロースナノファイバー複合樹脂「kinari」で作られた食器の展示(左)や、太陽光発電や風力発電など各発電方式を組み合わせて街に電気を供給するゲーム(右)[クリックして拡大]

 ハンドルを回すことで水を電気分解し、発生した水素でプロペラが回転するというコンテンツもある。これは、パナソニック ホールディングスが展開する純水素型燃料電池など、燃料電池の内部の仕組みを分かりやすく解説するものだ。

水の電気分解の体験装置[クリックして拡大]

 校外学習に来た子供たちには施設での学習理解を促進するワークシートも配布する。施設体験の事前/事後学習にも使用できる内容で、パナソニック オペレーショナルエクセレンス ブランド・コミュニケーション部門 スペース&メディアコミュニケーションセンター パナソニックセンター東京 所長の児玉比佐子氏は「施設での気付きをワークシートにまとめて振り返ることで、子どもたちに新たな気付きやアクションの機会を提供したい」と語る。

 パナソニックセンター東京は2002年に設立され、累計来場者数は約1213万人。Panasonic GREEN IMPACT PARKの他、モノづくりを通じたSTEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育の体験型施設「AkeruE(アケルエ)」などが設置されている。校外学習や修学旅行で施設を見学する場合、Panasonic GREEN IMPACT PARKとAkeruEをセットで体験するのが基本コースになるという。

 児玉氏は、「環境問題を座学だけでなく体験を通じて楽しく学び、さらに自分たちにできることは何かを気付き、将来のアクションにつなげてもらいたい。学んだあとに、環境問題を当社がどのように解決しようとしているのかが、少しでも子供たちの記憶に残ればうれしい」と語った。

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