音響解析で“いつもと違う”を検知、NECがインバリアント分析技術を横展開EdgeTech+ 2022

NECは、「EdgeTech+ 2022」において、非接触で機器の稼働監視を行える音響解析ゲートウェイを参考出展した。2023年末までの製品化を目指している。

» 2022年11月18日 13時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 NECは、「EdgeTech+ 2022」(2022年11月16〜18日、パシフィコ横浜)において、非接触で機器の稼働監視を行える音響解析ゲートウェイを参考出展した。2023年末までの製品化を目指している。

NECの音響解析ゲートウェイと赤外線カメラを用いた可視/熱センシングのデモ NECの音響解析ゲートウェイと赤外線カメラを用いた可視/熱センシングのデモ。音響解析ゲートウェイは、赤丸で示した専用マイクで4つ並べたファンの稼働を監視している。赤外線カメラを用いた可視/熱センシングは、右側にある赤外線カメラにより、物体検知と加熱している異常箇所の特定を同時に行っている[クリックで拡大]

 音響解析ゲートウェイは、専用マイクとArmベースプロセッサを搭載するゲートウェイから構成されている。ゲートウェイには、NEC独自のAI(人工知能)技術である「インバリアント分析技術」が組み込まれており、機器の稼働音を解析して異常予兆を早期に発見することができる。「“いつもの状態”を自動構築でモデル化し、リアルタイムに収集するデータの“いつもと違う”を早期に検知できるのがインバリアント分析技術の特徴だ」(NECの説明員)。

 これまでも機器の稼働監視にインバリアント分析技術を適用する事例はあったが、例えば機器に振動センサーを設置する場合など、最適な位置への設置を含めて全体としてコスト増になることが課題だった。これに対して音響解析ゲートウェイは、10〜60kHzと可聴域より広い帯域の音を検知できる専用マイクで機器周辺の微細な音を収集でき、非接触型で設置が容易なのでコストも大幅に削減できるという。

 展示では、日本アビオニクスとの共創ソリューションである赤外線カメラを用いた可視/熱センシングで異常箇所を特定する技術と併せてデモを披露していた。

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