中央発條がグローバル競争力強化のため米国拠点にインフォアのERPを導入:製造IT導入事例
インフォアジャパンの中規模組み立て製造業向けERPソリューション「Infor SyteLine」が、中央発條の米国拠点で本格稼働を開始した。導入により、米国拠点に対しても本社からのガバナンスを利かせることが可能になった。
インフォアジャパンは2022年8月8日、インフォアの中規模組み立て製造業向けERPソリューション「Infor SyteLine」が、中央発條の米国拠点で本格稼働を開始したと発表した。
自動車部品メーカーの中央発條では、経営基盤の強化とともにグローバル展開を強化しており、現在5カ国10拠点に海外拠点を設けている。グローバルで競争力を高めるためには、日本と同様に海外拠点のデジタル化を進め、日本本社からの情報を迅速に把握、対応して生産性を向上させる必要があった。
2019年には、インドネシアの拠点でInfor SyteLineの稼働を開始。出荷処理のデジタル化によって、売上計上工数を月76時間削減した。
今回、インドネシア拠点の導入実績を基に標準モデルを確立し、米国拠点でも従来のERPからInfor SyteLineへの刷新を決定。標準モデルを生かすことで、インドネシア拠点よりも3カ月早く構築できた。2022年4月からIaaS上で稼働を開始し、出荷や売り上げ、調達、倉庫、会計業務を担っている。
ソリューションの導入により、米国拠点に対しても本社からのガバナンスを利かせることが可能になった。また、EDIデータを受注および出荷データと連携するなど業務改善を図り、月50時間の工数を削減できた。オーダーや在庫量、需要予測に基づいて在庫予測を立てることで、在庫管理の精度向上が期待できるとしている。
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