光イジングマシンによるプロジェクト人員計画の自動化実証実験を実施製造ITニュース

NTTと三菱重工業は、光イジングマシン「LASOLV」を活用したプロジェクト人員計画の自動化実証実験を実施し、人員計画の作成に要する工数を大幅に削減できる可能性を確認した。

» 2022年05月13日 10時00分 公開
[MONOist]

 NTTと三菱重工業は2022年4月25日、光イジングマシン「LASOLV」を活用したプロジェクト人員計画の自動化実証実験を実施し、人員計画の作成に要する工数を大幅に削減できる可能性を確認したと発表した。

 両社は、LASOLVの実用化に向けたプロジェクトを2018年3月から始めており、今回の実証実験もその一環となる。LASOLVは、NTTが開発する新しい原理に基づいた計算システム。相互に結合した多数の光パラメトリック発振器パルスが、全体として最も安定した位相の組み合わせで発振する現象を利用し、高速で組み合わせ問題の最適解を得られる。

 実証実験では、三菱重工業で実業務の工事日程や要求スキル、人員、作業員の情報、移動時間などのデータを準備。NTTが、さまざまな制約条件を満足させる人員計画を探索する5万ビット規模のイジングモデルを構築した。

 これに基づいて、点検対象プラント26カ所、工事数29件、作業員141人、日数64日間の期間で、保有スキルや連続勤務日数、勤務時間上限、プラント間移動日数、休暇予定といった主要な制約条件を満たす人員計画をLASOLVにより導出。従来は人が約1カ月かけて作成していた人員計画を、短時間で得られることを確認した。

 今後両社は、実用化を目指して実業務のための適用検証を進める予定だ。

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