グーグル・クラウド・ジャパンがオンラインで会見を開きクラウドプラットフォーム「Google Cloud」の製造業向けの取り組みについて説明。マネージド機械学習プラットフォーム「Vertex AI」が高い評価を得ており、会見にはユーザーである三菱重工業 江波工場の担当者が登壇しVertex AIをはじめGoogle Cloudの活用法を紹介した。
グーグル・クラウド・ジャパンは2021年10月26日、オンラインで会見を開き、クラウドプラットフォーム「Google Cloud」の製造業向けの取り組みについて説明した。同年5月に一般提供を開始したマネージド機械学習プラットフォーム「Vertex AI」が高い評価を得ており、会見にはユーザーである三菱重工業 江波工場(広島市中区)の担当者が登壇しVertex AIをはじめGoogle Cloudの活用法を紹介した。
グーグル・クラウド・ジャパン ソリューション&テクノロジー部門技術部長 寳野雄太氏は「仮想マシンとして導入が始まったクラウドは、インフラストラクチャとしての活用を経て、現在は企業全体の変革をけん引する存在として求められている。まさにトランスフォーメーションクラウドとしての新時代を迎えつつある」と語る。Google Cloudでも、インフラとしてのクラウドプラットフォームだけでなく、さまざまな産業分野別のデータソリューションを用意しており、製造業もその一つになっている。
例えば、京セラはスマートファクトリー化を支えるソリューションの全社共通デジタルプラットフォームをGoogle Cloudで構築した。中でも、10〜20枚の画像で正確な機械学習モデルを構築できる製造業向けAI(人工知能)外観検査ツール「Visual Inspection AI」は、同システムの構築を担当した京セラコミュニケーションシステムからも高い評価を得ている。また、製品のスマート化を可能にする「Intelligent Products Essentials」は、ユーザー体験の向上、機能の自動更新、利用状況の分析などをまとめたパッケージソリューションとなっている。
寳野氏は「企業が先進的なテックカンパニーへ変革するには、データカンパニーになる必要がある」と強調する。ただし、このデータカンパニーとなるための障壁になっているのが、これまでさまざまな用途に最適な形でピンポイントに選んできたデータ技術がそれぞれバラバラになっていることだ。「テクノロジーの選択を迫られたがゆえに、全体として使えるデータや基盤になっていない。そこで必要な概念がデータクラウドだ」(同氏)。
データクラウドでは、データに基づいた意思決定を行うための「アナリティクス」、予測と最適化による顧客体験の向上を実現する「AIと機械学習」、これらと関わる業務プロセスを改善するための変化に対応できるデータ環境の「トランザクション」が必要であり、これら3つを兼ね備えているのがGoogle Cloudだという。寳野氏は「Google Cloudにデータを入れれば、リアルタイム、シームレスにビジネス価値を引き出せる」と述べる。
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