20年間の停滞を経て、今後は衰退あるのみの状態に見えます。
この記事は、2021年5月27日発行の「モノづくり総合版メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
MONOistで現在連載中の「『ファクト』から考える中小製造業の生きる道」が大変好評をいただいております。この連載は、金属加工などを行う小川製作所の小川真由さんが、ブログなどを通じて発信しておりました経済統計を読み解くコンテンツを、中小製造業への提言として取りまとめていただいているもので、現在第3回まで掲載しています。まずは日本経済の現在を振り返る内容で「労働賃金」「GDP」「一人当たりGDP」について、経済指標などオープンな「ファクト」を基に紹介していただいています。今後は製造業特有の状況の整理や、提言的内容にも踏み込んでいきますので、ぜひご覧いただけると幸いです。
さて、連載の内容からあらためて「ファクト」を基に、日本経済の現状を振り返ってみると「日本が世界有数の先進国である」という幻想が崩されます。詳しくはぜひ連載記事をご覧いただいたいのですが、例えば、日本人労働者の平均給与は1997年がピークで2019年まで微減や横ばいペースが続いています。そして、既にOECD35カ国中20番目の水準に落ち込み、OECD平均値よりも低い状況に陥っています。つまり世界から見て、相対的に日本の労働者は「貧しく」なっているといえるわけです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.