日系乗用車メーカー8社の2020年4月のグローバル生産実績は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により国内、海外ともに8社全てが前年割れとなった。グローバル生産台数は8社全てが前年同月比で半減以上と、3月に比べ減少幅はさらに拡大。COVID-19が自動車生産に甚大な影響を及ぼした。
日系乗用車メーカー8社の2020年4月のグローバル生産実績は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響により国内、海外ともに8社全てが前年割れとなった。8社全てが前年同月比で50%以上減少し、3月に比べ減少幅はさらに拡大。COVID-19が自動車生産に甚大な影響を及ぼした。
一方で中国は前年を上回るペースまで回復しており、ホンダに至っては4月として過去最高を記録した。また5月には欧米での生産が再開されており、COVID-19による減産影響は、4月を底に今後は回復基調を示しそうだ。
生産台数を地域別に見ると、日系メーカーの主力市場である北米で0台というメーカーが多く、海外生産の大幅減少の主因となった。欧州やインドでも0台というメーカーが多い。東南アジアは国によってまちまちの状況ではあるものの、前年に比べて大きく台数を落としている状況は変わらない。
国内生産も足元の国内販売が半数近くまで減少しているほか、海外市場での需要減速による輸出の停滞もあり、全社が前年同月比で2桁減となった。グローバル市場で唯一好調なのが中国で、トヨタ自動車とホンダが同2桁増を記録した。各地域で減産が目立つ日産も、中国は主要市場で唯一1割以内の減少にとどまった。
国内 | 海外 | (うち米国) | (うち中国) | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
トヨタ | 218,054 | 161,039 | 0 | 143,135 | 379,093 |
▲ 25.9 | ▲ 66.2 | ▲ 100.0 | 27.8 | ▲ 50.8 | |
ホンダ | 53,114 | 159,633 | 0 | 152,447 | 212,747 |
▲ 32.1 | ▲ 56.3 | ▲ 100.0 | 21.1 | ▲ 52.0 | |
日産 | 21,669 | 128,719 | 0 | 122,580 | 150,388 |
▲ 61.8 | ▲ 62.5 | ▲ 100.0 | ▲ 8.8 | ▲ 62.4 | |
ダイハツ | 49,248 | 5,508 | - | - | 54,756 |
▲ 34.7 | ▲ 92.1 | - | - | ▲ 62.4 | |
マツダ | 11,706 | 24,171 | - | 23,595 | 35,877 |
▲ 86.5 | ▲ 25.8 | - | 40.0 | ▲ 69.9 | |
三菱 | 15,467 | 19,000 | - | 4,894 | 34,467 |
▲ 67.6 | ▲ 64.9 | - | ▲ 58.5 | ▲ 66.2 | |
スズキ | 28,417 | 5,598 | - | - | 34,015 |
▲ 64.9 | ▲ 97.1 | - | - | ▲ 87.4 | |
スバル | 14,912 | 0 | 0 | - | 14,912 |
▲ 72.5 | ▲ 100.0 | ▲ 100.0 | - | ▲ 83.4 | |
合計 | 412,587 | 503,668 | 0 | 446,651 | 916,255 |
※上段は台数、下段は前年比。単位:台、% |
メーカー別に見ると、トヨタ自動車の4月のグローバル生産台数は前年同月比50.8%減の37万9093台と4カ月連続で前年実績を下回った。国内は同25.9%減の21万8054台と7カ月連続のマイナス。国内・海外向けともに都市封鎖や外出自粛などで需要減少が続いており、工場の稼働を一時停止した。海外はさらに大きな影響が出ており同66.2%減の16万1039台と4カ月連続のマイナスとなった。
地域別では、主力の北米が全ての工場を停止したため0台。中南米も0台だった。欧州も稼働停止しているものの、フランスのみ一部車種を生産したため同99.2%減の577台となった。アジアは、フィリピンやマレーシア、インドが0台。主力のタイは同90.8%減、インドネシアは同66.6%減と大きく落ち込んだ。一方、中国は好調で、3月末より通常稼働を再開しており同27.8%増と2019年12月以来4カ月ぶりに前年実績を上回った。その結果、アジアトータルでは同23.2%減となった。
グループ会社のダイハツ工業も落ち込みが激しい。4月のグローバル生産は、同62.4%減の5万4756台と2カ月連続の減少だった。中でもマレーシアとインドネシアに工場を構える海外の落ち込みが目立ち、同92.1%減の5508台にとどまり、2カ月連続のマイナス。このうちマレーシアは0台だった。国内は同34.7%減の4万9248台で、2019年11月以来5カ月ぶりに減少した。登録車は「ロッキー」とトヨタ向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ライズ」の小型SUV兄弟が純増となり同1.0%増とプラスを確保するとともに4月として過去最高を更新した。一方、軽自動車は需要減退の影響で振るわず同47.9%減と半減近い落ち込みを示した。
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