次に「活動2:顧客のサイバーセキュリティへのニーズと目標を調査する」では、サイバーセキュリティを取り巻く製造業者と顧客の間の接続関係を、図2のように示している。
IoT機器を購入・使用する顧客は、これらの機器をシステムやネットワーク(インターネットを含む)に接続したいという意向を持っている。機器を導入するにつれて、顧客は、自らの目標に到達するために、デバイスセキュリティの強化を求めたり、ニーズに応じたセキュリティ対応を期待したりする可能性がある。このような顧客/ユーザーに対応するために、IoT機器製造者は、以下のような質問への回答を想定すべきであるとしている。
その上で、図3に示す通り、適用できる法規制/ガイドラインを反映させた顧客のサイバーセキュリティへのニーズと目標を示している。
ここでは、具体例として医療関連法規制/ガイドラインのケースを取り上げ、法規制として米国食品医薬品局(FDA)の規制、HIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)、ガイドライン類としてNIST SP 800-53(連邦政府情報システムおよび連邦組織のためのセキュリティ管理策とプライバシー管理策)、NISTサイバーセキュリティフレームワーク(重要インフラのサイバーセキュリティを改善するためのフレームワーク)などを参照している。本連載第25回で触れたように、NISTは、医療領域に深く踏み込んだサイバーセキュリティ指針を策定してきた経緯があり、サイバーセキュリティ全般のトピックでも、しばしば医療関連事例が参照されている。
さらに、「活動4:顧客のニーズと目標を適切に支援するための計画を策定する」では、特定のデバイスサイバーセキュリティ機能の選定やそれらのハイレベルな導入を越えて、特定した顧客のニーズや目標に対するサポート方法を検討することが重要であるとしている。そして、機器のハードウェアおよびソフトウェアのリソースを設計・選定する際に、IoT機器製造業者は、以下のような質問への回答を想定すべきであるとしている。
加えて、どのようなセキュア開発プラクティスが、自社および顧客にとって適切かを検討する際に、以下のような質問への回答を想定すべきであるとしている。
活動4の計画フェーズで重視されるのは、リスクベースアプローチに基づく「セキュリティ・バイ・デザイン」であるが、IoT機器の場合、ハードウェア/電子制御系ベースの技術(OT)とソフトウェア/情報通信系ベースの技術(IT)をどのように組み合わせて、セーフティとセキュリティの双方に配慮した設計を行うかが大きな鍵となる。
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