次に、大卒予定者の就職状況について確認したい。従業者規模別に大卒予定者の求人数と就職希望者数の推移をみると、就業者数299人以下の企業における大卒予定者の求人数は2015年卒から5年連続で増加している一方、就職希望者は2017年卒から減少傾向にあり、求人倍率は現状の2019年では9.9倍になり、2018年卒の6.4倍から大きく増加していることが分かる(図11)。
一方、従業者300人以上の企業について見ると、2016年卒までは求人数が増加し希望者が減少していたことで求人倍率も上昇傾向にあったが、2017年卒以降について見ると求人数の増加傾向は変わらないものの、求職者数がそれを上回る増加傾向に転じたため、2019年卒の求人倍率は0.9倍となり1倍を下回る結果となった(図12)。
続いて、転職者についての動向を確認する(図13)。前職の従業者規模別に見た、現職の企業規模別転職者数の推移について見ると、まず前職が従業者数1〜299人の中小企業だった場合、現職の従業者規模が5〜299人の企業への転職者数がほぼ横ばいで推移している一方、従業者300人以上の大企業への転職者数は増加傾向にある。次に前職が大企業だった場合、こちらも現職の従業者規模が5〜299人の企業への転職者数はほぼ横ばいだが、従業者300人以上の企業への転職者数は増加傾向にある。これらの調査結果から中小企業が転職先として選ばれにくい傾向にあることが考えられる。
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