日本の製造業は「帰納的開発」のAIでも品質を武器にできるのか製造マネジメント メルマガ 編集後記

従来の「演繹的開発」とは全く異なる手法が必要です。

» 2019年05月28日 12時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 この記事は、2019年5月28日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


日本の製造業は「帰納的開発」のAIでも品質を武器にできるのか

 現在の日本の製造業にとって大きな問題になっているのが、ここ数年で多数の事例が報告されている不適切検査をはじめとした品質不正です。2016年に相次いで発覚した燃費計測の不正、2017年に明らかになった日産自動車、スバル、神戸製鋼所の製品検査不正以降は、毎月のレベルで品質不正に関する報道が続いています。

 日本の製造業が、多かれ少なかれ高品質のモノづくり力を売りにしてきた以上、これらの品質不正はその根幹を揺るがすものです。人手不足や熟練技術者のリタイヤ、検査工程への投資の少なさなどさまざま理由があるにしても、今後も日本の製造業がモノづくりを基盤とするのであれば、早々に対処しなければいけないことは確かです。

 さて、今回テーマとして取り上げたいのは、そういった従来のモノづくりの品質ではなく、最新技術であるAI(人工知能)の品質です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.