本稿ではステップ1を「非安全なコントロールアクションの抽出」としている。
コントロールストラクチャーをベースに、制御対象のプロセスに対するコントローラーからのアクションのうち、以下の4つのタイプの安全でないコントロールアクションを抽出する。
ステップ1の分析に使うフォーマットに決まりはないが、非安全なコントロールアクション(Unsafe Control Action:以下、UCA)のドキュメント化のためには、次のような表を用いるのが便利とされている。
コントロールアクション | 与えられないとハザード | 与えられるとハザード | 早過ぎ、遅過ぎ、誤順序でハザード | 早過ぎる停止、長過ぎる適用でハザード |
---|---|---|---|---|
(コントロールアクション) | (条件) | (条件) | (条件) | (条件) |
… | … | … | … | … |
表1 UCA識別に用いる表の例 |
UCAは、安全のために必要なルールと関連付けて考えることができるため、UCAの分析から安全制約を作り出すことも可能である。このため、安全制約をステップ1の段階で作成したり、作成済みの安全制約をUCAの分析結果をもとに見直したりすることもできる。STAMP/STPAは、分析の途中で新たな発想を得やすいという点が長所でもあり、STAMP/STPAが「強制発想手法」とも呼ばれるゆえんである。自由な発想を導き易くする手法なのである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.