シーメンスPLMソフトウェアのプレス・アナリスト向けイベント「Siemens Industry Analyst Conference」の基調講演に、シーメンスのデジタルファクトリー部門のCEOを務めるヤン・ムロジク氏が登壇。ムロジク氏は「デジタライゼーション(デジタル化)」と「デジタルツイン」の重要性を強調した。
シーメンスPLMソフトウェアは、米国ボストンでプレス・アナリスト向けイベント「Siemens Industry Analyst Conference」(2017年9月5〜8日)を開催した。9月6日の基調講演には、シーメンスPLMソフトウェアを傘下に置く、シーメンスのデジタルファクトリー部門のCEOを務めるヤン・ムロジク(Jan Mrosik)氏が登壇。シーメンスPLMソフトウェアの製造ITツール群、シーメンスの産業用IoT(モノのインターネット)プラットフォーム「MindSphere」、産業用コントローラー、製造技術などによって実現する「デジタライゼーション(デジタル化)」と「デジタルツイン」の重要性を強調した。
まずムロジク氏は「デジタライゼーションが全てを変えた。2000年時点のフォーチュン500から半数の企業が消えたが、それはデジタライゼーションを理解していなかったからだ」と語る。そしてシーメンスは、全ての部門に置いて、デジタライゼーションを推進しているとした。
シーメンスは、MindSphereなどに代表されるデジタライゼーションの層が、産業用コントローラーなどのオートメーション(自動化)の層や、IoTデバイスやスマートメーターなどに代表されるエレクトリフィケーション(電化)の層に大きな価値を加えると想定している。同社の2020年までのビジョンにおいても、現時点で大きな売上規模になっているのはオートメーションやエレクトリフィケーションだが、より大きな市場成長を期待しているのはデジタライゼーションになる。
シーメンスのデジタルファクトリー部門が扱うオートメーション機器やソフトウェアライセンスの事業成長も著しい。2017年第3四半期は、前年同期比で新規受注、売上高、営業利益とも二桁成長を記録している。「この成長は、ソフトウェア製品のポートフォリオ充実に注力してきた長期戦略に基づくものだ」(ムロジク氏)という。実際に、2007年にシーメンスPLMソフトウェアの前身となるUGSを買収して以降の10年間で、100億ユーロ(約1兆3000億円)以上の投資を行ってきた。2017年も、メンター・グラフィックス(Mentor Graphics)や、自動運転試験用ソフトウェアのTASS Internationalなどを買収している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.