――コンシューマ向けを念頭にすれば、IoTという概念に対しての要求は細分化する一方です。myThingsとしての完成形はどのようなものなのでしょう。
椎野氏: myThingsの完成形は何か? は今まさに議論をしているところです。一般コンシューマが何を課題にしているか、恐らく多種多様であろうそれらをできる限り解決するための存在であることが理想です。
具体的にはホームコントローラーや家電、あるいはクルマへの実装かもしれませんが、ユーザーのライフスタイルによる寄り添い、進化していくことが重要であると考えます。そのため事業化(収益化)は二の次、いまはユーザーと開発者を増やすことが急務であると考えています。
事業モデルはいろいろと考えられるのですが、「IoTとは何か?」を振り返ると、PCやスマホ以外のものもつながる“次のインターネット”であると言えます。そう考えれば、Amazonの「Dash Button」(米Amazon.comが試験提供しているサービス。ボタンを押すだけで日用雑貨が注文され宅配される)のようなeコマースへの適用や、VRやARの一般化した世界でヤフーがメディア事業を行う際にそのインタフェースとして利用するなど、さまざまな可能性が浮上します。
現在はインターネットがインフラ化している状況にあるといえますが、PCやスマートフォン、タブレット以外の製品もつながる次のフェーズで、myThingsが意識せずとも使われている世界、そんな世界の実現を目指しています。
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