会社を辞めないで起業する方法zenmono通信(3/4 ページ)

» 2014年11月17日 13時40分 公開
[zenmono/MONOist]

enmono三木氏 研修はどのような内容ですか?

赤木氏 まず、「やりたいこと」を見付けるというプロセスから始まります。起業家と違って会社員の人たちは、「やりたいことが見付かっていない人がほとんどです。それから、それに共感してくれる研修仲間を見付けてチームを作ります。外部から連れてきてもいいですけれど、3人もしくは4人のチームを作れた人だけ、次のステップに進めます。そして、ビジネスモデルを実際に市場に出していく。リリースしながらブラッシュアップしていきます。

enmono三木氏 期間はどれくらいですか?

赤木氏 市場にリリースするくらいまで、半年間くらいですかね。何回コースというのではないんですよ。自分の最適なクラスに行くというやり方をしているので、個人によってばらばらで。クラスはステージ別と基礎スキルの2種類があり、この2つの柱が同時に走っています。

enmono三木氏 緻密に考えていらっしゃいますね。教える側、コーチも必要だと思いますが、その点は、どのように考えていらっしゃいますか?

赤木氏 ボランティアスタッフを増やしていこうと考えています。生徒で参加してくれたり、運営側を少し手伝ってくれたりと、サポートしてもらっています。研修モデルでもうけようとはしていないので、コンテンツはどんどんオープンにしていこうとしています。ですので、体験していただきながらチーム・ゼロイチのコンテンツを理解して、ボランティアでサポートしてもらいたい、教える側にまわってほしいと思っています。そのためのマニュアルづくりを、今、やっているところです。

enmono三木氏 考え方は、われわれも近いですね。シナジーがあると思うので、ぜひ、一緒に何かやりましょう。

赤木氏 モノづくりの場合、町工場の方たちに最適なやり方があると思いますので、連携していきましょう。

enmono三木氏 マイクロモノづくり検定制度にして(笑)。

赤木氏 いいんじゃないですか(笑)。モノづくりは日本の強みだし、失ってはいけない部分。そこから新しい事業をどんどん起こすサイクルが出来上がると、日本としてもすごく強くなると思うんですよね。

enmono三木氏 日本のサラリーマンの未来について、お話いただきたいのですが。

赤木氏 未来といえるほど先かは分かりませんが、「新しい市場を作る」ということが、経済的にも精神的にも非常に重要だと思っています。このグラフの縦軸は、市場の成熟度で、マネタイズモデルが成熟しているかを表します。横軸は市場の大きさです。簡単にいうと、困っている人が多いかどうか。困っている人や欲しいと思っている人が多くて市場が成熟している領域は、車や生命保険など、大手企業がやっているビッグ市場です。

赤木氏 「新しい市場を作る」というところでは、マネタイズモデルが成熟していない、領域から下(斜線の部分)を狙わなければいけないんです。

 ニッチ市場は3つあります(円の部分)。困っている人が少なくてマネタイズモデルが成熟している領域は、富裕層ビジネスやオタクビジネスなどがあります。AKB48はこの領域からビッグ市場に変わっていったんですが、ここは先駆者がいるので、やる必要がない。起業家、事業創造者は、残りの2つのニッチ領域を開拓しなくてはなりません。

 これらの領域は市場化されていないので、ライバルがいません。成熟度も市場の大きさも少ない、リアルニッチと呼ばれている領域は、僕らがやっている起業家ビジネスなどがそうです。

赤木氏 困っている人は多いけれど、マネタイズモデルが整備されていない領域は、例えばいじめ問題とか。株式会社でいじめを解決しようというところはありません。「市場化する」ということは、上記2つのニッチ領域にマネタイズモデルを提供することで、他のプレーヤーの参入を促すということです。

 参入者が増えることで、ソリューションの選択肢も増え、価格も下がります。つまり、市場化するということは、2つのニッチ領域にいる悩みを抱えているユーザーの現状(ソリューションの選択肢も少なく価格も高い)をより満足度の高い方向に変化させるということなのです。

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